2022 Fiscal Year Annual Research Report
Reconsidering Rousseau's autobiographical works in the context of history of educational thoughts
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17K04521
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
室井 麗子 岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ルソー / 自伝 / 霊的修練 / アド / 記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度である本年度は、これまでの取り組みの成果を論文等にまとめて公刊した。 まず、これまで取組んできたピエール・アドの『Qe'est-ce que la philosophy antique?(古代哲学とは何か)』の日本語への翻訳を刊行するための作業に取組み、校正(初校)作業を終えることができた。 また、本研究課題の理論枠組み・概念である「霊的修練exercice spirituel」に関する諸論文をさらに読み進め、同概念の内実をより精緻に把握することができた。 そして、ルソーの自伝的著作群を教育論および人間形成論のテクストとして教育思想史的文脈の中で再読するというこれまでの取り組みを諸論文にまとめて公刊した(「「市民社会」という感情の共同体とルソーの異論」、「Rousseau's Dissent from "Civil Society" as Community of Emotion」、「社会的記憶と個人的記憶の汽水域としての自伝――ルソーにおける抗いのエクリチュール」)。これら諸論文をまとめる作業をとおして、ルソーの自伝的著作群の人間形成論的内実や意義をさらに深く考察・分析する視座として、「社会的記憶」と「個人的記憶」という視座・観点の有効性も示すことができた。
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