2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K04522
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笹田 博通 東北大学, 教育学研究科, 教授 (80154011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 安功 仙台高等専門学校, 総合科学系文科, 名誉教授 (00154112)
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20331259)
小池 孝範 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (80550889)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宗教 / 教育学 / 教育哲学 / 啓蒙 / 自然観 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題①(宗教/自然/教育をめぐる啓蒙時代の思索の解明)に関しては、研究分担者の佐藤が、ルソーにおける「事物の教育」論を現象学の文脈のうちで捉え直すことをとおして、また同じく研究分担者の相澤が、啓蒙的思考をドイツの宗教教育の現状との関わりから再検討することによって、それぞれ、啓蒙時代以降の自然観・宗教観・教育観を思想史的に輪郭づけ、その成果を『プロテウス』第18号に発表した。(なお、相澤は2018年10月にバーデン=ビュルテンベルク州(ドイツ)へ赴き、ゲマインシャフツシューレに関する実地調査を行った。) 課題②(啓蒙時代以降の自然観・宗教観の教育哲学的考察)に関しては、研究代表者である笹田が、啓蒙時代以降の自然観及び宗教観の今日的意義について、カッシーラー、ハイデガー、西田幾多郎らの現代哲学をふまえながら、教育哲学、とりわけ人間形成論の視点から研究することをとおして、また研究分担者の小池が、近代公教育の黎明期における「宗教と教育」の問題について検討することによって、それぞれ、啓蒙時代以降の自然観及び宗教観の教育学的位置づけに携わり、その成果を『プロテウス』第18号に発表した。 課題③(宗教と教育との原―関係をめぐる教育哲学的吟味)に関しては、笹田・相澤・小池の3名が、「道徳の教科化」に伴い公教育における宗教教育の可能性が問われている、との認識に基づき、啓蒙時代と宗教教育の現在との接点を教育哲学的に考察した。さらに、自らの研究成果をそれぞれ『プロテウス』第18号に発表するとともに、笹田が、「啓蒙時代の宗教観と近現代の宗教教育」を課題とする日本ヘルダー学会・シンポジウムを企画し、笹田・相澤・小池が、シンポジストとして上記課題に関する発表を行うことで、「宗教と教育」に対する新たな問題意識を喚起しようとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進んでいるので、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は最終年度であるため、これまでの成果から導き出した見地から、宗教と教育との関係を問い直し、その分析を行うとともに全体の報告書を作成する。本研究の報告書を作成することで成果を広く社会に還元したい。
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Causes of Carryover |
研究分担者が発注していた洋書の入荷が遅れたことが理由で、次年度使用額が生じてしまった。これについては、年度はじめに解消できると考えている。
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Research Products
(9 results)