2021 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical Research on the Political Neutrality of Public Education
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17K04530
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小玉 重夫 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (40296760)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シティズンシップ / 政治的リテラシー / ハンナ・アレント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最終年度で、コロナ禍で変更を余儀なくされた計画を再開、遂行し、研究のとりまとめを行った。特に、2022年4月から実施される民法改正による18歳成人を見据えて、18歳成人の時代の主権者教育とシティズンシップ教育について、一つの方向性を指し示した。また、文部科学省の主権者教育推進会議での議論にも貢献をした。 理論的には、コロナ禍でのDX(デジタルトランスフォーメーション)の可能性と課題を思想的に捉えるための加速主義の検討、子どもと大人の関係の変容をふまえた子どもと政治をめぐる枠組みの捉えなおしについて、成果をあげることができた。 2015年に選挙権年齢が18歳へと引き下げられ、高校生の政治参加が活発化している。10代の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの発言が世界の世論を動かし、その影響は日本の高校生、大学生の活動にも火をつけている。また、昨年からの新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、学校の休校や大学入学試験の実施時期、学費の減免などの論点をめぐって、日本でも全国の高校生、大学生が声を上げている。以上のような動きは、教育をめぐる政治と子どもの関係のとらえ方にも大きな転換をせまるものとならざるを得ないだろう。以上のような状況をふまえて、教育学における政治と子どもの関係が、「政治から子どもへ」というとらえ方から、本誌の特集テーマでもある「子どもという政治」というとらえ方へと転換しつつあることを示すことができた。
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Research Products
(4 results)