2018 Fiscal Year Research-status Report
Multicultural Teacher Education in Pre-service Programs at Universities in Ontario, Canada
Project/Area Number |
17K04541
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
児玉 奈々 滋賀大学, 国際センター, 教授 (10389603)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | カナダの多文化教師教育 / 多様性に対応できる教師の育成方法 / 文化的多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オンタリオ州で2015年度に導入された、子どものメンタルヘルス、子どもの福祉、特別支援が必要な子どもへの教育、学習指導時のICT活用と並んで、公正と多様性(equity and diversity)に関わる内容をカリキュラムに組み込むことを義務化した4学期制教員養成プログラムにおける多文化教師教育の実施状況と課題を考察することを目的としている。 当該年度は3年間の研究計画の2年目にあたり、概ね予定通りに実施した。 年度の前半は初年度に実施した研究の中間報告を行い、後半は初年度の研究を通して見直しを行なった研究の枠組みを用いて実地調査を実施した。 年度前半では、初年度にカナダ・オンタリオ州内の教員養成プログラム開講大学全18校を対象に実施した教員養成カリキュラムにおける文化的多様性(cultural diversity)についての調査結果をもとに、国内外の学会で本研究課題の研究中間報告を行なった。例えば、日本比較教育学会第54回大会で、オンタリオ州の大学の教員養成プログラム担当者を対象に行った多文化教師教育実践についての自己評価と課題の聞き取り調査(オンタリオ州の4学期制教員養成プログラムにおいて文化的多様性を扱った授業科目とフィールドスタディの両方を開講している3大学を訪問し、教員養成プログラム担当者らに聞き取り)の結果を考察した研究の成果を中間報告として発表した。 年度後半は、初年度の研究を踏まえて改訂した新たな類型を用いて、オンタリオ州で科目の設置・開講及びそれ以外の方法(ワークショップの実施やコースへの配属)を採用して多文化教師教育の実践を進めている4大学を選定し、現地を訪問し、実践についての自己評価と課題の聞き取りを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画ではオンタリオ州の教員養成系大学の海外留学への取り組み方の違いで大学を三類型に分類し、分類別の多文化教師教育実践の傾向を考察する予定であったが、研究の過程で、当初予定していた分類方法では分類が困難な対象が含まれることが判明し、講義科目とフィールドスタディ科目への取り組み方の違いによって分類する方法に改訂した。2年目以降の調査では、改訂後の類型を用いて現地訪問調査の対象校を選定し、調査を実施した。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度までに複数のオンタリオ州の大学を訪問し実施した多文化教師教育実践についての聞き取り調査の成果発表を中心に、研究の中間報告を行う。6月に開催されるカナダ教育学会で口頭発表し、カナダの教育を専門とする研究者から本研究に対してのコメントや助言を得る。 多文化教師教育への取り組み方において、前年度までに現地訪問調査を行った大学とは異なり、多文化教師教育を積極的に実施していない大学を数校訪問し、教員養成プログラム担当者を対象に、多文化教師教育への取り組みの実態と課題についての聞き取り調査を行う。
|
Causes of Carryover |
カナダ現地訪問聞き取り調査の日程を訪問先の都合により3月中旬に行うことになり、帰国後の聞き取り調査結果の英文テープ起こしの作業委託を当該年度内に行うことが難しく、委託及び委託料の使用を次年度に変更したことが理由である。 次年度使用額は、英文テープ起こし作業委託料として使用する計画である。
|