2017 Fiscal Year Research-status Report
Feminine Voice in Philosophy and Global Resurgence of American Philosophy: Research on Practical Philosophy for Political Education
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17K04542
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 直子 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20334253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 祐介 日本大学, 法学部, 講師 (30422562)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クロスジェンダーな哲学の女性性 / アメリカ哲学のグローバルな再生 / 美しい知識 / 政治教育 / <教育をハブにした政治-哲学-美学>の学際的対話 / 翻訳のアート / 生き方としての民主主義 / アメリカ超越主義とプラグマティズム |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究概要> 本研究の目的は、グローバル経済下の人文社会科学の危機に対し、生き方としての民主主義に資するより高度な実践哲学としてアメリカ哲学のグローバルな再生の教育的意義を解明することである。着眼点として、アメリカ超越主義とプラグマティズムの超二元論と反基礎づけ主義が拓くクロスジェンダーな「哲学の女性性」が、異質性への包摂の不安を受容し、民主主義のパトスと強靭な個の思考力を覚醒する人間変容の政治教育の鍵であることを明らかにする。研究手法として、<教育をハブにした政治-哲学-美学>の学際的対話の中で研究者どうしが境界を超え足場を揺さぶり合う翻訳のアートの対話的手法を開拓する。実践的意義として、機能と美、理性と感情、男性と女性、身体-言語-思考をつなぐ「美しい知識」の政治教育の哲学を提示する。 <研究実績>1. アメリカ哲学フォーラム年次大会(2017年6月25日)において、研究分担者らとパネル「人文社会科学の危機におけるアメリカ実践哲学 境界を超える国際教養、政治教養に向けて」を開催した。2. 採択率5割以 下のアメリカ教育哲学会年次大会に投稿した英語論文"Educating the feminine voice in philosophy"が審査受理され、発表し(2018年3月23日、シカゴ)Philosophy of Educationに出版されることになった。3. 英語共著3冊出版 4. アメリカ教育哲学会にてPeter Lang社の編集者と課題「哲学の女性性」に関わる英語単著の出版計画が進んだ。4. 研究課題であるアメリカ実践哲学の功績を認められアメリカジョンデューイ学会の理事に選出された。5. 研究分担者と日本哲学会次年度大会公募ワークショップに投稿したパネル「哲学の<女性-性>再考: クロスジェンダーな哲学対話に向けて」のプロポーザルが審査受理され発表が決まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1. 研究課題についてアメリカの学会で論文が審査受理発表したことをきっかけに、当初予期していなかった、外国の出版社との英語単著の出版計画が生まれた。 2. アメリカ哲学についての英語単著のプロポーザルがイギリスの出版社で審査中で出版の可能性が開けた。 3. 英語の共著、国際学術誌の査読つき英語の単著論文を当初予定以上に数多く出版できた。 4. 科研課題に関わり、海外先端研究者との英語共著、英語編著出版や学会活動を通して国際共同研究のネットワークを推進することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1 研究課題についての英語著作の出版に向けて執筆を行う。 2 2018年5月の日本哲学会でのパネル発表「哲学の<女性-性>再考: クロスジェンダーな哲学対話に向けて」において研究分担者との共同研究をさらに推進する。 3. 研究分担者とのアメリカ哲学のグローバルな再生に関わる翻訳プロジェクトを推進する。 4. 海外共同研究者との共著の出版を完成させる。 5. 哲学の女性性をめぐる国際的な哲学ネットワークを発展させる。
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Causes of Carryover |
a. 研究代表者の健康上の理由により、年度前半および年度終盤の海外渡航等の計画を十分遂行できなかったため、経費執行計画を立てていた一部の 計画を来年度以降に延期する必要が生じたため。b. 研究分担者が本務先の用務の都合により予定していた海外出張および研究代表者との打ち合わせを遂行できなかったため旅費を使用しなかったため。 (使用計画) 1. 2018年6月に、ヨーロッパプラグマティズム会議(ヘルシンキ)において研究代表者と海外共同研究者がパネル開催を行うための招聘および海外旅費に使用する。2. 2018年12月のパリ第一大学で開催される国際会議において海外共同研究者の海外旅費に使用する。3. 研究代表者の研究遂行に関わる研究員の人権費に使用する。4. 研究分担者が2018年5月に開催される日本哲学会での研究課題に関わるパネル発表のための国内旅費、および研究代表者との共訳書についての打ち合わせのための国内旅費に使用する。5. 研究分担者が2018年8月に開催されるヨーロッパ政治学会研究大会(ハンブルク)に出席するためにの海外旅費に使用する。
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Research Products
(16 results)