2017 Fiscal Year Research-status Report
「履歴史料」に基づく近代日本におけるサブエリートの学習歴とキャリア形成の解明
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17K04566
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
池田 雅則 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60609783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 廉太郎 朝日大学, その他部局等, 准教授 (80770932)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教員 / 官吏 / 文官試験 / 警察官 / 営林 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度において重点をおいた作業は、史料調査と収集史料の整理と読解であった。 史料調査については、国立国会図書館、愛知県公文書館、岐阜県立歴史資料館、岐阜県立図書館に所蔵されている公文書や家文書、刊行史料より履歴史料にかかわる史料を収集した。長崎県における史料については、予備的な情報を収集することに努めた。 収集史料の読解については、既に収集が済んでいる史料の整理と読解を進めた。警察官吏関係、森林官吏(営林職員)関係の史料、および明治20年代に実施された文官試験に関わる史料の整理と読解を行った。警察官吏および森林官吏関係の史料については、国立国会図書館のデジタルアーカイブス等よりキャリア蓄積や昇進制度に関わる刊行史料を多数収集することができた。判任官警察官吏である、警部や警部補へのキャリア蓄積過程や営林職員のキャリア蓄積過程や職務内容について明らかにすることができた。これらは先行研究がまったく注目していなかった領域であった。文官試験に関する史料からは、実施された文官試験が必ずしも制度が想定した水準や内容とは一致していないことが明らかになった。試験を実施する機関が、その職務に拠る必要性に応じて試験科目を設定していたことが明らかとなった。 研究成果の整理と発表については、明治20年代の文官普通試験の実施状況と特徴について、また明治期の警察官吏のキャリア蓄積の変遷について、教育史研究者が集う研究者において報告を実施し、今後の助言を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料調査の実施場所は当初の計画と変更することになったが、十分な箇所において史料収集することができたため。 史料の整理と読解については、十分な量の史料を読み解くことができたため。 成果の報告については、論文化できる段階まで研究を進展することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度以降は、引き続き史料の収集や整理解読に努めるとともに、収集した履歴史料のデータベース化を進展させることに重点を置きたい。 また、論文化が整った成果については学会等を通して公表していきたい。
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Causes of Carryover |
史料調査が研究者の在勤地の近隣であったために、多額の旅費を要する出張が少なくなったため。
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Research Products
(1 results)