2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on the Professional Teaching Standards and the Impacts in the U.S.
Project/Area Number |
17K04567
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
赤星 晋作 広島市立大学, 国際学部, 名誉教授 (80175778)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 教員育成指標 / 教職専門職基準 / 教師の資質能力 / 教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ禍の影響でアメリカでのフィールドワークができず、本年度(令和3年度)はわが国の「教員育成指標」について、その策定以降の実施状況や動向を見ながら考察を深めた。そして、以下の点を明らかにした。 まず、指標における教員のキャリアステージは、経験年数による区分よりも発達段階区分の方が適切である。各教員の職能発達の段階は各自異なるであろうし、また採用時のキャリア(教員養成キャリア)も異なる。経験年数はあくまでも、参考としての記述である。 また、資質能力とその指標であるが、余りに細かく細分化し多くの項目を挙げることは避けるべきである。本来は、教師の資質能力の基準とそれの指標であり、基準は細分化されたものではない。ただ、資質能力として項目を大項目、中項目、小項目として分類するのは1つの方法である。 そして、それぞれに指標が記述されているが、その際「~する、することが出来る」という「パフォーマンス」とそのための「知識、理解」という観点からの記載が必要であると思われる。これらは連動したものである。こうすることにより、自己の資質能力を把握し、基準としてあげた資質能力に向けた力量形成、職能開発がしやすくなり効果的である。それは、各教員の自己評価のツ-ルともなり、自己の研修課題を探る際に有益である。また「教員育成指標」は単に策定するにとどまらず、任命権者にそれに基づいた研修計画を定めるようにしているが、指標と連動した研修の計画が可能となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、アメリカの教師教育に大きな影響を与えている「全国教職専門職基準委員会」(National Board for Professional Teaching Standards = NBPTS) による「教職基準」(Teaching Standards)、「州間教員評価支援協会」(Interstate Teacher Assessment and Support Consortium=InTASC)による「モデル・コア教職スタンダード─州対話のためのリソース」(Model Core Teaching Standards: A Resource for State Dialogue)の調査分析をしてきた。そして、単なるアメリカの調査研究ではなくて、それらを通してわが国の「教員育成指標」等の調査、資料収集・分析をやり、幾つかの示唆及び課題を明らかにすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は新型コロナ禍の影響で渡米することができず、アメリカでのインタビューや資料収集等のフィールドワークができなかった。 そこで、来年度(令和4年度)中に渡米が可能になるならばアメリカでのフィールドワークを実施し、これまでの研究成果を確認し新しい資料の収集・分析を実施する。特に全国的な動向と言うより、これまでの研究課題の1つとしてあげた、各州・各学区におけるより具体的な動きを探ってみたい。そして、研究テーマである「アメリカにおける「教職専門職基準」の策定とそのインパクトに関する研究」の総括をする。
|
Causes of Carryover |
これまで「全国教職専門職基準委員会」( NBPTS)と「州間教員評価支援協会」(InTASC)による「教職基準」(Teaching Standards)の調査・分析を文献資料を中心にやってきた。さらに研究を進めるために、本年度(令和3年度)アメリカでのフィールドワークを考えていたが、新型コロナの問題等で不可能になった。次年度可能ならば、アメリカでのフィールドワークを実施したい。もし不可能であるならば、文献調査等で補う。
|