2020 Fiscal Year Research-status Report
三分岐型から二分岐型への中等学校制度改革に伴うドイツ教育評価制度の再編と機能変容
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17K04568
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
卜部 匡司 広島市立大学, 国際学部, 教授 (30452600)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ドイツ / 教育評価 / 中等学校制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ドイツの教育評価制度の再編プロセスを解明したうえで、その制度の機能的変容を明らかにすることである。本研究では、平成29年から5年間にわたり、①中等学校制度改革のプロセスを解明し、②教育評価制度の再編過程を解明し、③教育評価に関する理論モデルを検討し、④教育評価制度の再編に伴う機能分析を行う。これら4つの目標を達成するため、①文献資料(中等学校制度改革や教育評価制度再編に関連する政策資料や関連文献など)を収集し、②現地調査(ドイツ諸州の教育省、大学、学校などへの訪問調査など)を実施し、それらの情報に基づいて、③機能分析(理論的考察)を行う計画である。その4年目となる令和2年度は、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により、国際学会(ドイツ教育学会や欧州教育学会など)が中止または延期となり、成果発表や研究討議もまったく実施できなかった。また現地調査の実施も断念せざるを得なかった。そのため今年度は、これまでに収集した文献資料をもとに、機能分析を進めるにとどまらざるをえない状況となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の4年目に該当する令和2年度は、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により、当初の計画通りに現地調査や研究討議、そして成果発表を行うことができなかった。実態解明や機能分析についての不十分な点を補完できていないことから、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、中等学校制度の再編に伴う教育評価の制度的変容について、実態解明の不十分な点を現地調査によって補完し、改革の全体像の把握に努める。また研究成果についても国内外の学会で発表し、論文投稿に努める。ただ、新型コロナウィルス感染症の拡大による出入国制限に基づき、欧州と日本との往来が厳しくなったため、令和3年度もドイツや欧州をはじめ海外での研究討議や学会発表が当初の予定通りに実施できるか不透明な状況である。世界の状況を注視しながら、必要に応じて国内外の学会や研究会にオンラインで参加するなど、積極的に研究交流や成果発表を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じたのは、新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により海外との往来ができなくなることで、旅費が計画通りに執行できなかったからである。まず、国内外の学会が中止または延期、あるいはオンラインでの開催となったことで、これらの学会への参加旅費の執行ができなかった。具体的には、フィンランドのオウル大学で開催されたグローバル教育・学習の学術ネットワーク(ANGEL)学会ならびに中国四国教育学会が、当初の予定を変更してオンラインでの開催となり、またオーストラリアのブリズベン大学で開催予定だった環太平洋コンソーシアム教育学会(PCC)、イギリスのグラスゴー大学で開催予定だった欧州教育学会(ECER)がそれぞれ開催延期となったことで、これらの学会への参加のために計画していた旅費の使用が当初の計画通りに遂行できなかった。次に、ドイツでの新型コロナウィルス感染症の拡大による現地のロックダウン(外出制限措置)等により、ドイツでの現地調査や研究討議のための渡航を延期せざるをえなかった。翌年度に延期された学会への参加旅費として、また入国制限が緩和された後の現地調査の旅費として、これらの旅費を次年度に使用することを計画している。
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