2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K04570
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
片瀬 一男 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30161061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天童 睦子 宮城学院女子大学, 一般教育部, 教授 (50367744)
大迫 章史 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60382686)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 女子教育 / テキストマイニング / 集合的記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究助成最終年度であったので、研究成果の発表を中心に活動を行った。まず、7月14日15日、東北社会学会:片瀬一男「女子ミッション教育の歴史社会学」相澤出「2つのホームによる人々」前者は同窓会誌の内容分析であり、後者は同窓生へのインタビューの分析であった。 つぎに、8月19日、日本教育社会学会:片瀬一男・高瀬雅弘「統制される「不良少女」」この報告は、以前に青山学院大学資料室から収集したMissionary Reportなどの文献資料などを中心として、明治後期における地方教育行政と地域社会、女子ミッション教育のかかわりを検討したものだった。 さらに、『宮城学院女子大学付属キリスト教文化研究所年報』第53号に片瀬一男・相澤出・遠藤恵子「戦後日本社会における女性たちの「もうひとつの」個人主義―――宮城学院同窓生の生活史の分析から―」を掲載した。この論考は、戦後直後に宮城学院に在籍した同窓生の談話から、同時代の同窓生の集合的記憶と体験の詳細を明らかにすることによって、当時の宮城学院同窓生の集合的記憶を理解するだけでなく、当時、同様のミッション教育を経験した女性たちの生活世界の諸相を戦後直後に在籍した同窓生の談話から、同時代の同窓生の集合的記憶と体験の詳細を明らかにした。こうしたアプローチによって、当時の宮城学院同窓生の集合的記憶を理解するだけでなく、当時、同様のミッション教育を経験した女性たちの生活世界の諸相を、大塚史学が仮定したものとは異なる「もう1つの個人主義」を理解する手がかりを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定した研究計画が実施できたが、同窓生への郵送調査ができなかった。しかし、同窓会理事会との数度にわたる交渉の結果、2020年度には実施するめどはついた。またこれまでに行った学会報告、また発表した論考を冊子にまとめることも2020年度の課題としたい。 また2020年3月に予定していた公開講演会も、新型コロナ肺炎の流行で延期となっている。これもまた折を見て実施していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
残された課題は、宮城学院同窓生への郵送調査である。調査の実施については同同窓会ならびに事務局との打ち合わせは済んでいるので、先行研究をもとに調査票を作成し、実施する準備はできている。 またこれまで行ってきた弘前学院大学(弘前女学校)ならびに宮城学院女子大学(宮城女学校)をめぐる歴史社会学的研究をまとめて小冊子を作成・発行することも考えている。
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Causes of Carryover |
宮城学院同窓生への郵送調査の可否につき、個人情報の取り扱いなども含め、同窓会との折衝を時間をかけて慎重に進めた。そのため、同窓会理事会による調査協力の許諾が下りたのが、2019年度末となった。そこで、同窓生への郵送調査を2020年度に実施せざるをえなくなったため。
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