2018 Fiscal Year Research-status Report
共生のためのジェネレーション・センシティブな平和教育:慈善行為の齎す教育的価値
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17K04583
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
井手 華奈子 創価大学, 教育学部, 准教授 (30532444)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 沖縄 / 慈善活動 / フェミニズム / 平和教育 / 先住民の哲学 / 福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、世代間の教育的ニーズの差異に着目し、大人のための平和教育と子どものための平和教育の分類とその関係性について考察することで、共生の 概念を発展させることである。研究目的に到達するための該当年度の具体的な研究活動は、本研究に必要不可欠な研究資料収集を幅広くおこなうこと、そして研究成果の中間発表を多角的な側面から国際会議におこなうこと、さらに国際会議において批判的な助言を得ることであった。 第一に、研究資料の収集については、昨年度から継続して関係者や慈善活動家、本研究の対象としている慈善事業を展開する3団体の各責任者全員から資料提供を受けることができたことは大きな成果であった。また、各慈善団体の歴史的なイベントに参加することを許可され、慈善活動の現在の状況や実態、慈善活動を取り巻く潜在的カリキュラムについて体感する機会を得ることができたことも大きな成果であった。さらに、様々な慈善活動家を支援している人々からも資料提供を受けることができたことも大きな成果であった。第二に、12月にニュージーランド・ロトルアで開催された国際会議(Philosophy of Education Society of Australasia)において、中間発表として2件の研究報告をすることができた。一つは、アメリカ人研究者、カナダ人研究者、そしてアメラジアンの教育問題や福祉問題の専門家と慈善活動家とのチーム発表であった。この研究報告については、国際的な視点から研究の全体像について見直すことができた。もう一つは、個人で研究発表をおこなった。ここまでで収集した資料を整理するための機会とし、また、資料から導き出された仮説について検証するための中間発表をおこなうことができた。こちらの研究発表については、国際的に著名な教育学者や先住民哲学の研究者から大変貴重な意見やアドバイスを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調であるとした理由は、以下の二点があげられる。一つ目は、国際会議でこれまでの研究の中間発表を仮説と共にすることができたこと、それに伴って大変貴重なアドバイスを国際的な視点から多角的に得ることが出来なことがあげられる。二点目は、研究資料の収集がおおむね順調に進んだことがあげられる。本研究の性質上、重要な研究資料は公的機関等で保存されているというより個人の思い出として保存されている場合が多いため簡単ではないが、昨年度に比べれば効果的に資料収集をおこなうことができた。反省点はしかしながら資料収集である。収集すべき資料が何であるのかはつかめたが、その資料がどこで保存されているのか、日米・沖縄県内の基地内外にかかわらず、現在までのところ行方の見当がつかない状態にあるので、最終年度は知恵を絞って発掘できるよう努力したい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて、国際会議での積極的な発表、論文の執筆、資料の収集の3点が今後の研究の進むべき道である。国際会議での積極的な発表については、希望としてはいくつかの国際会議での発表のための準備を予定している。論文の執筆については、本研究の最終報告をさらに発展させていくべき未来の研究の方向性も見据えながら精進する準備をすすめている。また、ここまでで、どうしても見つけることのできない歴史資料の発見については、知恵を絞って最善を尽くしたいと思う。
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Causes of Carryover |
差額が生じた理由は、年度をまたぐ期間に論文の校閲依頼をおこなわなかったこと、また予定していた国際会議への参加を一件見送ったこと、そして研究資料として探して歴史資料の行方が知れないため、資料収集出張を組むことができなかったことがあげられる。
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Research Products
(2 results)