2019 Fiscal Year Research-status Report
The significance of moral education theory based on John Dewey's theory of reflective thinking
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17K04586
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
早川 操 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (50183562)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 反省的思考 / 問題解決学習 / 大正自由教育 / 児童中心主義教育 / 課題解決学習 / 探究学習の理想 / 協働的・概念的・道徳的学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
三年目の研究計画としては、デューイの「反省的道徳」理論の分析に基づいて、20世紀後半に普及した問題解決学習をつうじての自己成長の理論の考察を中心に取り組んだ。わが国におけるデューイの問題解決学習理論の受容と系譜を歴史的に分析した結果、三つの時期に区分されることを提案した。 第一の時期は、20世紀の始まりとともに、未来の子どもたちへの期待がふくらんでいた大正自由教育時代のデューイ教育理論受容期である。この時期のデューイ教育理論の研究は、世界的な児童中心主義教育の広がりとともに、わが国でも教師中心の教えることから児童中心・学習活動中心の自主的自発的学習の事例として紹介された。 第二の時期は、戦後のアメリカ民主主義教育の導入とその普及手段としての問題解決学習の教育実践が広まったデューイ教育理論の展開期である。当時の問題解決学習・課題解決学習の実践やその後の発見学習の挑戦については、梅根悟や広岡亮蔵などを中心に多くの研究者がかかわり、デューイ探究理論の教育的道徳的可能性について検討された。 第三の発展期となる21世紀の問題解決学習・探究学習理論への期待は、新しい学習指導要領で提案されている21世紀に生きるための「深い学び」との比較検討をつうじて提案されようとしている。今後は、デューイ探究教育理論の課題として残された協働的・概念的・道徳的学習の可能性を追求することが求められるであろう。 探究理論の道徳的意義は、自由な探究と充実したコミュニケーションの融合を推進することによって人びとの共通の問題を考え改善し解決できる「知性的道徳的な公衆」の育成にあることを提起した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究活動は、デューイの道徳理論の特徴を経験の成長や学習の展開の観点から考察することにより、わが国の大正自由教育期、戦後民主主義教育期、21世紀新時代における児童生徒の自己成長の課題を考察することを中心に取り組んだ。 三つの時期におけるデューイ学習理論と自己形成理論の特徴を検討することで、デューイの問題解決学習に根ざした自己形成論の展開と課題を明らかにするとともに、21世紀の探究学習理論が追求しようとする主体的自己や事実的・概念的・道徳的経験の学習についての課題と方向性を指摘することができた。 これらの研究成果は、「わが国におけるデューイ探究学習の受容と変遷―20世紀の問題解決学習から21世紀の探究学習へ-」という論文として、日本デューイ学会編『「民主主義と教育」出版百年記念論集』(仮題)に投稿し掲載されることとなった。以上の研究活動と成果から、今年度は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、デューイの「反省的道徳」教育理論に基づいて現代教育改革の焦点となっている「主体的な学習」や「協働的(対話的)な学習」などを含めた反省的協働的学習に関する包括的な分析を行い、21世紀の「反省的協働的道徳」教育理論の検討と考察に取り組む。 研究方法としては、価値の教え込み教育の課題を克服するため、「共感・対話・協働」の育成をめざす「反省的協働的探究学習」を重視する「反省的協働的道徳」教育理論の構築に取り組む。 研究成果は、早川が日本デューイ学会もしくはアメリカ教育哲学会で発表し、日本デューイ学会もしくは椙山女学園大学教育学部紀要で報告する。
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Causes of Carryover |
今年度は、台風などの影響で交通機関が止まってしまったこともあり、予定していた学会への参加ができなかった。そのため、旅費の使用額が少なくなってしまった。来年度も物品費の執行や旅費の執行について、早い段階から計画を立てて執行し、他の業務などと予定が重複しないように留意する。
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