2019 Fiscal Year Annual Research Report
Retrospect and Prospect of Curriculum Development in Japan in relation to 'Capital' Involved
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17K04593
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
矢野 裕俊 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (80182393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 和喜雄 奈良教育大学, 教職開発講座, 教授 (00225591)
木原 俊行 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40231287)
田村 知子 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (90435107)
森 久佳 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (00413287)
深見 俊崇 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (80510502)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カリキュラム開発 / 専門職資本 / 研究開発学校 / professional capital / 教師文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究の内容は、大きく二つに分けられる。一つは,前年度までの二カ年において実施した学校訪問調査研究の補足である。今年度は千葉県館山市立北条小学校、埼玉県の筑波大学附属坂戸高等学校でそれぞれ行われた公開研究会に参加するとともに資料収集を図り、当該校におけるカリキュラム開発の特徴とそこにおける教師の関わりについて知見を得た。 もう一つは、本科研研究の成果の集約とその発表である。6月に開催された日本カリキュラム学会第30回大会(京都大学)において「研究開発学校におけるカリキュラム開発の経験ーprofessional capitalの形成に注目してー」と題する研究発表を研究代表者と研究分担者6名とともに行った。その発表を踏まえて、研究分担者を交えて数次にわたる検討会を重ね、9月末日に日本カリキュラム学会誌『カリキュラム研究』に論文を投稿した。その結果、同誌第29号に「研究開発学校におけるカリキュラム開発の経験ー専門職資本の形成に注目して-」と題する論文が掲載されることとなった。当該学会誌は2020年3月末の発行予定である。 以上の二つの研究活動により、実証的に明らかにし得たことは次の三つである。第一は、研究開発学校の中にはそのステイタスや経験を生かし、国への協力とは別に、自校での持続的なカリキュラム開発を通して、教師の専門的力量を個人的のみならず集団的に形成し、学校づくりを進めていく事例がみられること、第二に、そうした学校でのカリキュラム開発が教師の入れ替わりがあるにもかかわらず、学校にエートスとして蓄積される専門職資本(人的資本、社会関係資本、意思決定資本)の形成過程として捉えられること、第三に、取り上げた事例は、日本型のカリキュラム開発とも呼べるパターンを析出する可能性を提示できるものだということである。
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