2019 Fiscal Year Annual Research Report
The process of building the communities of practice for hikikomori support activities in the local community
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17K04601
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松本 大 弘前大学, 教育学部, 准教授 (50550175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣森 直子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (40315536)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ひきこもり / 若者支援 / 社会教育 / 成人教育 / 成人学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費研究の最終年度である本年度は、前年度までの研究成果をふまえつつ、関連研究の検討を進めながら論点を整理し、国内外で研究成果を発信することを目指した。 第一に、ひきこもり支援の市民活動における専門性を、ひきこもりをめぐる地域権力構造との関係で分析した。その結果、(1)団体同士の「関係性をつくる」こと、(2)団体同士の「斜めの関係」をつくること、(3)相互の対話と交流に基づくゆるやかな「情動のコミュニティ」をつくること、という3点をひきこもり支援の専門性として提起した。さらにこれらの専門性が地域に根づいた市民の共同的な学習をとおして構築されていることを明らかにした。研究成果は 「World Education Research Association 2019 Focal Meeting in Tokyo」(2019年8月)にて報告した。 第二に、「存在論的不安」というキーワードをもとに、ひきこもり支援の専門性について教育学的な考察をおこなった。本研究では存在論的な安心を形成する支援とはいかなるものかを探究した。その結果、(1)越境的な実践コミュニティ形成をとおした情動の共同構築、(2)活動のルーティン化が存在論的安心につながる、(3)ルーティン構築の過程に共同的な「学び」がある、という3点を明らかにした。この研究成果は「The 20th International Conference on Education Research」(2019年10月、ソウル大学)において成果発表した。 第三に、地域権力構造や存在論的不安のなかで市民活動に従事する個人の生き方や人生そのものを、ライフストーリー・インタビューをとおして「学習」の過程として分析した。研究成果は共編著(福島・松本・森本編、2019)のなかの論文として整理した。
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Research Products
(3 results)