2017 Fiscal Year Research-status Report
IRを活かす学内データ管理に関する研究:統合型データベース構築への第一歩として
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17K04603
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤原 宏司 山形大学, エンロールメント・マネジメント部, 教授 (30790563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 茂 山形大学, 企画部, 教授 (50432563)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IR / FERPA / CIP / 大学データ活用 / 大学データ管理規定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学内データの「収集」および「活用」に関する規定のドラフトおよび学生情報を正しく取り扱うためのトレーニングプログラムを開発し、我が国におけるIR(Institutional Research)のさらなる発展に貢献することである。その目的を果たすため、IR先進国である米国におけるFERPA(Family Educational Rights and Privacy Act)等の個人情報管理に関する法律と、米国の各大学が独自に策定している「学内データの収集等に関する規定」に着目し、米国の大学がどのように学内外のデータを収集・活用しているのかを調査している。
平成29年度は、米国内でも情報公開が特に進んでいることで有名なフロリダ州にあるサウスフロリダ大学(州立研究系総合大学)、サウスフロリダ大学セント・ピーターズバーグ校(州立教育系大学)およびタンパ大学(私立総合大学)の3大学を訪れ、各大学におけるFERPAへの対応および学内外のデータ収集・活用の実態を調査した。また、日本国内の大学(国立・私立)に関しては、学内データの収集および活用面においてどのような規定が存在し、それらの規定がどのように運用されているかについて、インタビューを実施した。
米国大学におけるデータ活用の実態を調べていく中で、米国にはCIP(Classification of Instructional Programs)と呼ばれる教育プログラムの分類コードがあり、米国の大学における教育プログラムの現状および学業修了状況を正確に把握することが可能となっていることが分かった。我が国においても、CIPのような教育プログラムの開発は必要であると考えたことから、これらCIPの仕組みや表記法および実際の活用例をまとめて、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度研究実施計画に挙げた5項目のうち「海外研究協力者を招いたIR(Institutional Research)関連の勉強会を開催する」以外の計画は、ほぼ実施できたと考えている。IR勉強会の開催が出来なかった理由は、当初お願いしていた海外研究協力者が所属校の学長代理に就任され、米国外への長期出張が難しくなったことにある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、米国の大学において実施されているFERPAトレーニングプログラム(データを適切に管理・運用するためのトレーニングプログラム)の日本版を開発する。また、米国の大学におけるデータの取り扱いの実態を学会で発表し、論文化も開始する。
海外研究協力者を招いたIR勉強会については引き続き調整中であるが、スケジュール調整が上手く行かなかった場合は、以下の方法で研究を進めることを考えている。(1)日本での学会発表等で出された質問をまとめ、電子メールでのコミュニケーションで研究を進める(2)こちらから再度先方の大学へ出向き、研究成果を報告し助言を得る。
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Causes of Carryover |
海外研究協力者を招いたIR勉強会を開催する予定であったが、当初お願いしていた海外研究協力者が所属校の学長代理に就任され、米国外への長期出張が難しくなったことにより生じたものである。先方とのスケジュール調整が上手く行けば、平成30年度にIR勉強会を開催したいと考えているが、不調に終わった場合は、こちらから再度先方の大学に出向き、アドバイスを得ることも選択肢の一つに入れている。
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