2018 Fiscal Year Research-status Report
IRを活かす学内データ管理に関する研究:統合型データベース構築への第一歩として
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17K04603
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤原 宏司 山形大学, エンロールメント・マネジメント部, 教授 (30790563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 茂 山形大学, 企画部, 教授 (50432563)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IR / FERPA / 大学データ収集 / 大学データ管理 / 大学データ関連規定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学内データの「収集」および「活用」に関する規定のドラフトおよび学生情報を正しく取り扱うためのトレーニングプログラムを開発し、我が国におけるIR(Institutional Research)のさらなる発展に貢献することである。その目的を果たすため、IR先進国である米国におけるFERPA(Family Educational Rights and Privacy Act)等の個人情報管理に関する法律と、米国の各大学が独自に策定している「学内データの収集等に関する規定」に着目し、米国の大学がどのように学内外のデータを収集・活用しているのかを調査している。
平成30年度は、大学評価コンソーシアム主催の大学評価・IR担当者集会2018(8/22-8/24)の1セッション(半日)を担当し、米国におけるFERPAを紹介するとともに、データ収集や活用に関する規定策定の必要性等について議論した。また、米国でも統合型DBの構築が進んでいることで有名なミネソタ州立大学機構に属しているベミジ州立大学(BSU、州立教育系大学)、ノースダコタ州立大学(NDSU、州立研究系総合大学、州立フラッグシップ大学)およびインディアナ大学-パーデュー大学インディアナポリス校(IUPUI、州立研究系総合大学)の3大学を訪れ、各大学におけるFERPAへの対応および学内外のデータ収集・活用の実態を調査した。IRの責任者に加えて学内データの管理・運用の責任者である「Registrar」にインタビューを行った他、BSUとNDSUでは筆頭副学長である「Provost」ともお会いして、大学執行部からの意見をお聞きできたことは本研究を進める上で大変有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度研究実施計画に挙げた5点のうち「海外研究協力者を招いたIR(Institutional Research)関連の勉強会を開催する」以外の計画は、ほぼ実施できたと考えている。IR勉強会の開催が出来なかった理由は、当初お願いしていた海外研究協力者が所属校の学長に就任され、米国外への長期出張が難しくなったことにある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度である平成31年度は、研究目的を完遂するため、平成29年度および平成30年度研究実施計画を通じて得られた以下2点の知見を、学会・勉強会・論文等において広く共有する。
(1)国内大学において適用可能な学内データの「収集」および「活用」に関する規定のドラフトを策定・発表する。
(2)日本版FERPAトレーニングプログラムを策定・発表する。
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Causes of Carryover |
海外研究協力者を招いたIR勉強会を開催する予定であったが、当初お願いしていた海外研究協力者が所属校の学長に就任され、米国外への長期出張が難しくなったことにより生じたものである。先方とのスケジュール調整が上手く行けば、平成31年度にIR勉強会を開催したいと考えているが、不調に終わった場合は、こちらから再度先方の大学に出向き、アドバイスを得ることも選択肢の一つに入れている。
もう一点は、購入予定だった米国の図書を米国大学訪問調査の際に現地で受け取ることにより、大幅に送料を削減できたことにある。
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