2017 Fiscal Year Research-status Report
施設入所児・要支援家庭児に対する保育者の専門性向上のための研修プログラムの開発
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17K04606
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
砂上 史子 千葉大学, 教育学部, 教授 (60333704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福丸 由佳 白梅学園大学, 子ども学部, 教授(移行) (10334567)
野坂 祐子 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20379324)
實川 慎子 植草学園大学, 発達教育学部, 准教授 (80619776)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 保育・幼児教育 / 社会的養護 / 心理教育 / 研修 / 保育者の専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
心理教育に根差した「施設入所児・要支援家庭児に対する保育者の専門性向上のための研修プログラムの開発」のために、平成29年度は、以下の1)~3)を実施した。 1) 公開シンポジウム:「社会的養護で育つ子どもを共に育む保育・幼児教育」(平成29年11月5日クロスウェーブ幕張)を実施した。基調講演「虐待を受けた子どもの理解と生活の中の支援」(増沢高)、シンポジウム「社会的養護と保育幼児教育の連携に向けて」(實川慎子・砂上史子・村松健司・野坂祐子・小木曽宏)。参加申込123名。参加者アンケートの結果、シンポジウムの内容が「有意義」であるとする回答が多くを占めた。 2) 試行的心理教育プログラム研修(保育者・施設職員等対象研修「子どもや親の困難さに応じる保育者のためのワークショップ型研修」): ① 子どもの性問題行動・性被害に対応する保育者研修―『My Step』を用いた講義とワークショップー」(平成29年12月17日 千葉大学)講師:野坂祐子。参加申込56名。研修に関する参加者アンケートの結果、研修の分かりやすさ・有用性ともに高い評価を得た。また参加者を対象に「子どもの性行動に関するアンケート」を実施した。 ② 子どもとの絆を深めるコミュニケーションに焦点を当てた保育者研修―『CARE』を用いた講義とワークショップ―」(平成30年2月27日)講師:福丸由佳。参加申込27名。参加者アンケートの結果、研修の分かりやすさ・有用性ともに高い評価を得た。また参加者を対象に「CAREプログラム研修会アンケート」を実施した。 3) 質問紙調査:・A県内の全幼稚園・認定こども園(613園)を対象に「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」を実施した(回収率54.8%)。その結果、施設入所児の受け入れの有無、施設入所児が入園した際の配慮等が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に、研究計画に沿って、1)公開シンポジウム、2)試行的心理教育プログラム研修、3)質問紙調査を実施した。いずれも円滑に実施されるとともに、1)公開シンポジウムと2)試行的心理教育プログラム研修は当初の予定以上の参加者を得るとともに、内容の有用性等について参加者である保育者・施設職員、児童相談所関係者等から高い評価を得た。 また、試行的心理教育プログラム研修と合わせて「子どもの性行動に関するアンケート」等も実施し、保育・幼児教育、社会的養護における支援対象の実態や支援者のニーズを把握し、今後の研究に活かす予定である。 3)質問紙調査の「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」では一定の回収率を確保し、分析もほぼ終了した。その結果の一部は1)公開シンポジウムの話題提供において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降は、研究目的の遂行のため以下を実施する予定である。 平成29年度実施の 質問紙調査「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」の分析結果をより検討し、学会誌論文として発表する予定である。 平成29年度に実施した試行的心理教育プログラム研修の成果と課題を踏まえ、保育・幼児教育関係者を対象に「子どもや親の困難さに応じる保育者の専門性向上のための研修を実施し、その効果を検討する。効果の検討にあたっては、研修受講者に実際の保育・幼児教育現場や社会的養護の現場における実践上の有用性について、自身の実践経験からのフィードバックを得る等の方法を検討する。
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Remarks |
「社会的養護で育つ子どもを共に育む保育・幼児教育」公開シンポジウム 第2部シンポジウム「社会的養護と保育・幼児教育の連携に向けて」(2017年11月15日クロスウェーブ幕張)における話題提供 ・砂上史子 幼稚園における児童養護施設の幼児に対する保育-「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」の結果から― ・野坂祐子 トラウマが子どもに与える影響とその支援
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Research Products
(7 results)