2018 Fiscal Year Research-status Report
施設入所児・要支援家庭児に対する保育者の専門性向上のための研修プログラムの開発
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17K04606
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
砂上 史子 千葉大学, 教育学部, 教授 (60333704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福丸 由佳 白梅学園大学, 子ども学部, 教授(移行) (10334567)
野坂 祐子 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20379324)
實川 慎子 植草学園大学, 発達教育学部, 准教授 (80619776)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 保育・幼児教育 / 社会的養護 / 心理教育 / 研修 / 保育者の専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
心理的介入プログラムに根差した「施設入所児・要支援家庭児に対する保育者の専門性向上のための研修プログラムの開発」のために、平成30年度は、以下を実施した。 1) ワークショップ型研修の実施:平成29年度に実施した試行的心理教育プログラムを踏まえ、幼稚園教諭・保育士等を対象に「子どもや親の困難さに応じる保育者のためのワークショップ型研修-保育現場の『どうして?』『どうしよう?』に対応するスキルアップ研修―」(平成30年10月8日クロスウェーブ幕張)を実施した。講師・ファシリテータを砂上史子(千葉大学)、實川慎子(植草学園大学)、野坂祐子(大阪大学大学院)、福丸由佳(白梅学園大学)が務め、心理教育プログラムの知見を踏まえつつ、保育現場での具体的な事例についてグループでのディスカッション、ロールプレイ等を実施した。参加申込み者33名。参加者アンケートの結果、研修の内容が「有意義」であるとする回答が約90%を占め、かつ研修内容を活用できそうな保育場面が思い浮かぶとする回答も約90%を占めた。 2) ワークショップ型研修の効果に関する事後調査:「子どもや親の困難さに応じる保育者のためのワークショップ型研修」の参加者のうち、研修の有効性に関する調査への協力を承諾した17名を対象に、研修の効果についての質問紙調査を実施した。その結果、研修会後も研修内容を保育の実践の中で意識して実践し、園内等で他の保育者と研修内容を共有していることなどが明らかとなり、研修の効果が示唆された。 3)「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」の分析と報告:平成29年度に実施した 「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」の分析を終え、その結果を回答者(希望者)に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度には、平成29年度に実施した試行的心理教育プログラムの成果を踏まえ、幼稚園教諭・保育士等を対象にしたワークショップ型研修を実施し、その効果について参加者を対象とした事後調査も実施した。いずれも円滑に実施されるとともに、研修内容が保育実践の場で活かされるなどの有効性を示唆する結果を得た。また、平成29年度実施の「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」の分析及び回答者への報告を終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度以降は、研究目的の遂行のため以下を実施する予定である。 1)学会でのシンポジウム開催:日本保育学会第72回大会で自主シンポジウム「保育・幼児教育と社会的養護との連携:現状と展望」を企画し、施設入所児・要支援家庭児に対する保育者の専門性向上等について議論を深める予定である。 2)学会誌論文の投稿:平成29年度実施の 質問紙調査「幼稚園等における、児童養護施設で暮らす幼児の就園及びその保育に関する調査」の分析結果を学会誌論文等として発表予定である。平成30年度実施の「子どもや親の困難さに応じる保育者のためのワークショップ型研修」の開発過程とその有効性について、参加者への質問紙調査の結果等を踏まえ学会発表するとともに、学会誌論文として投稿予定である。 3)幼稚園教諭・保育士等向けリーフレットの作成: 平成29、30年度の研究成果を踏まえ、幼稚園教諭・保育士等向けのリーフレット等を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
研究分担者において次年度の研究計画遂行において必要とされる予算(書籍購入、学会参加費等)を次年度使用額とした。
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Research Products
(8 results)