2018 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ教育における包摂と排除に関する総合的研究
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17K04608
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小国 喜弘 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (60317617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星加 良司 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (40418645)
堀 正嗣 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (60341583)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インクルーシブ教育 / 障害の社会モデル / 特別支援教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)good practiceの分析:大阪市立大空小学校におけるフル・インクルージョンの取り組みについての研究と分析を行った。研究の成果は、雑誌『教職研修』において、「大空小学校の第二ステージ」として連載を行っている。また、明治図書のウェブページにおいても「フル・インクルーシブ教育の学校&授業づくり」として連載を行い、研究成果の一部についての公開を行っている。さらに、学校以外での取り組みについても検討を行う必要があることから、北海道・浦河における統合失調症者が病院外で自立する取り組みについても調査をおこなった。その成果の一部を書籍として刊行した他、2019年6月に東京大学で開催するシンポにおいて公開予定である。 (2)歴史的分析:1970年代の養護学校義務化反対運動についての研究を引き続き行った。運動の多様性を検討すると同時に、そこにおいて学校や教育学の見直しが行われようとしていた点について、より詳細に検討した。研究の成果は、東京大学出版会において単著の刊行が計画されている。 (3)言説分析:インクルーシブ教育の背景にある障害者権利条約の実施について、分析を行った。また、障害の社会モデルの観点から、現在の特別支援教育についての批判的検討を行い、その成果の一部を刊行した。 (4)研修教材の開発:インクルーシブ教育に関する研修用教材の開発に着手した。具体的な成果は、2019年度において公開を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年が最終年度にあたることから、これまでの研究成果の発信を進めていきたい。具体的には、インクルーシブ教育に関する書籍・教科書の出版を進めていく。そのほか、イギリスにおけるインクルーシブ教育指標の日本語訳を冊子化するとともに、日本の文脈にあわせた修正を行い、社会モデルに基づくインクルーシブ教育の展開をどのように可能にしていくのかについて検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画において費用がかかるものと算出されていた、研究成果の公表(冊子刊行)が2019年度にずれこんだ関係から、2018年度までの支出が小さくなっています。
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