2018 Fiscal Year Research-status Report
A Research on Pre-service Teacher Education System under the 'Deregulation' Policy: focused on Primary School Teachers
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17K04609
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
岩田 康之 東京学芸大学, 教員養成カリキュラム開発研究センター, 教授 (40334461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米沢 崇 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (20569222)
大和 真希子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (60555879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 開放制 / 教員養成 / 規制緩和 / 小学校教員 / 私立大学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、21世紀初頭に採られた一連の「規制緩和」策の一環として行われた教員養成分野における抑制策撤廃(2005年度から)が、日本の小学校教員養成に与えた影響を、主に三つの類型((A)国立の教員養成系大学・学部、(B)公私立の老舗大学、(C)2005年「規制緩和」後の新規参入大学)の実態に即して検証するとともに、対外比較の視点も含めて構造的な検討を試みようとするものである。本年度は、前年度までに行った課題整理(新規参入私立大学を含む日本の小学校教員養成の動向に関する政策動向、量的変化、課程認定行政等の基礎データの整理)を踏まえ、主に以下三点にとりくんでいる。 (1)新規参入大学の特質に関して、高等教育分野における検討状況を参照しながら検討を行った。これについては日本教育学会大会(2018年8月30日・宮城教育大学)のラウンドテーブルで提案を行い、意見交換を行うとともに、そこで得た知見を基に、以後の事例調査に入る手がかりを得た。 (2)抑制五分野(医師・歯科医師・獣医師・船舶職員・教員)の中で、教員養成分野のみが真っ先に抑制策が全面的に撤廃された経緯についての検討を行った。これについては、この抑制策撤廃を打ち出した「教員養成系学部等の入学定員の在り方に関する調査研究協力者会議」の主査であった村山紀昭氏(元北海道教育大学長)にヒアリングを行い(2018年10月19日)、同氏提供の関連資料等を元に分析を進めた。 (3)比較研究的手法による分析に着手すべく、香港比較教育学会大会(2019年3月16日、香港教育大学)において、これまでの課題整理を基に提案を行い、海外の研究者との意見交換を踏まえて今後の調査デザインを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究は概ね順調に進行しているが、事例校の訪問調査(ヒアリング)や、海外での取り組みに関する調査に関して、スケジュールの折り合いがつかず、一部次年度以降に延期をしている部分がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、(1)引き続き国内の事例校の調査((A)国立の教員養成系大学・学部、(B)公私立の老舗大学、(C)2005年「規制緩和」後の新規参入大学)に取り組むほか、(2)類種の課題を持つとみられる東アジア諸地域(韓国・中国本土・香港等)における教員の質保証策(教員資質や教員労働力市場に対する政策的コントロール)と、その下での教員養成プログラムの実際の運用や当事者の意識に関する調査を企画実施する予定である。 また、今年度の調査の中で、国レベルの政策動向についての検討に着手しているが、同時に地方レベル(主に都道府県の教育委員会)の施策との対応関係も見ていく必要性が浮かび上がったため、都教委等を対象とした事例研究(関係者のヒアリング等)を行うことも予定する。 これらを踏まえ、関連学会等での発表を予定している。
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Causes of Carryover |
物品の購入に関して、研究代表者の所属機関である東京学芸大学教員養成カリキュラムセンターの設備備品を利用することが可能であったため、当初予算の支 出がなかったこと、および今年度に計画していた訪問調査の一部がスケジュール調整の都合上年度内に行えなかったこと等により、次年度使用額が生じている。 使用計画としては、延期した調査の充実を期すために用いることとしたい。
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Research Products
(3 results)