2018 Fiscal Year Research-status Report
地域づくり主体の形成に資する地域特性の抽出とルーブリック評価に関する研究
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17K04613
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
蜂屋 大八 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 准教授 (10637739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉瀬井 恵子 金沢大学, 先端科学・社会共創推進機構, 連携研究員 (40793047)
中沢 正江 京都産業大学, 共通教育推進機構, 助教 (80779190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地域づくり主体 / コミュニティ / 地域への貢献 / 自尊感情 / 承認欲求 / 感謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度に設計した能登里山里海マイスター育成プログラム修了生へのアンケートに基づき、自身の地域活動の象徴となるイメージ、地域活動を通じた地域貢献度の認識、活動を通じての自己肯定感、地域内の他者との協調関係等を把握した。 また、前年度に策定したライフヒストリー調査の方針に基づき、マイスタープログラム修了者への聞き取りを行い、受講前から現在までの意識変容過程を把握した。各人の語りの中から、現在の地域活動とこれまでの人生との関わり、地域貢献を実現するイメージ、理想の地域コミュニティのイメージ、どのような意識の下で具体的な行動を開始したのか、コミュニティの内発的発展の担い手になり得ているか、などを抽出した。 このライフヒストリー調査結果を元に、「課題2):課題1)の要素を「関係性」を軸として構造化し、地域社会側が備える要因として定置」に取りかかった。本研究の開始時は、仮説的に、地域志向人材が何らかの内発的発展に関係する行動を開始するとき、「人と地域」、「人と人」の二つの濃密な関係と、地域を包摂する「人と自然」の関係性からなる「相互の関係性」が「起点」になると捉えていたが、現時点ではこの仮説では説明が難しいデータが抽出されており、チームとして数回にわたる研究会を重ね、このデータの分析と考察を元にした中間まとめを行った。 さらに、本研究は新たな着想の下で行う比較的若い研究チームであることから、経験豊富な研究者によるアドバイザリーボードを置いており、研究の中間点となる年度末には、研究グループとアドバイザリーボードの中間合同検討会議(外部評価)を行った。そこでは、中間まとめに基づき、今後の研究の方向性についての確認、未検討事項の洗い出し等を行った。その結果、研究の方向性については、分析の結果を踏まえて得られた新たな着想に基づいて今後の研究を進めるべく有効な示唆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の遅れを取り戻し、今後の研究の方向性を確認することができた。研究内容については、外部評価会議でも高評価を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の中間時点での外部評価会議で出された意見を整理・反映して、早急に後半2年間の研究の方向性を確立する。おおむね良好との評価を得ているが、当初の仮説とは異なるデータが出てきており、本研究の成果をまとめる上では、新たな着想で進めていく必要性が感じられる。今後は地域づくり主体のルーブリック策定が主軸となるため、より緊密に共同研究者間の連携を図り、進捗状況を把握しながら、研究成果の取りまとめにあたる。
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Causes of Carryover |
外部評価会議参加旅費として予定していたが、分担者の1名が所属機関の個人研究費から当該旅費を支出したため、本研究費からは支出しなかった。2019年度はルーブリック開発のため打ち合わせの頻度を上げる必要があり、繰り越した経費は旅費として有効に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)