2019 Fiscal Year Research-status Report
公民館地域課題解決アセスメントシートの開発に関する研究
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17K04629
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
上野 景三 佐賀大学, 学校教育学研究科, 教授 (30193824)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公民館 / 公民館主事 / 社会教育 / 地域課題解決 / 地域アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
まず2年目までの成果を「地域・公民館における社会教育と社会福祉の連携・協働」(松田武雄編著『社会教育と福祉と地域づくりをつなぐ-日本・アジア欧米の社会教育職員と地域リーダー-』2019.3 大学教育出版 19-41頁)としてまとめ刊行した。2年目の課題としていた各関連領域での地域アセスメントの方法について分析を行った。次に、日本社会教育学会での報告をまとめたものとして「公民館における自由と自治の論点-公民館主事の観点から-」(日本社会教育学会『社会教育学研究』第55巻 2019.6 70-71頁)を学会誌に掲載した。地域アセスメントの力量を持った公民館職員研修の課題と連動するものである。三つには、本科研の文献調査の成果を生かし、「日本の社会教育法制定70年 その思想的系譜に関するノート」(東京・沖縄・東アジア社会教育研究会『東アジア社会教育研究』No.24 2019.9 42-47頁)を社会教育法との関連で整理した。四つには、学会報告を次のように三本行った。①2019.6「公民館・コミュニティセンター職員の専門性と養成・研修」(日本社会教育学会九州・沖縄6月集会 佐賀大学)、②2019.6「公民館研究からみた九条俳句訴訟」(日本社会教育学会6月集会 東京大学)、③2019.9「社会教育法70年と社会教育施設研究の課題」(日本社会教育学会第66回研究大会 早稲田大学)。②と③に関しては、2020年度近刊の学会誌に掲載される予定である。併せて公民館研究に関する書評も学会誌に掲載した。「書評 佐藤一子・安藤聡彦・長澤成次編著『九条俳句訴訟と公民館の自由』」(日本社会教育学会『社会教育学研究』第55巻 108-110頁)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3年目は、研究概要でも述べたとおり、著書及び学会報告を精力的に行い、研究の中間的な報告を行う一方で、具体的な作業課題として地域アセスメントシートを開発し、それを各地区の公民館で実際に実装できるかの準備をする予定であった。公民館の地域アセスメントシートの開発については、関連利用域の資料を集め、ほぼ完成する目途をたてていたところである。それをもとに各地区の公民館主事たちの協力をえて、実装の可能性を探ることにしていた。 だが、年度の前半で学会報告にエネルギーを注いだためにアセスメントシートの開発が少し後ろだおしとなり、各公民館への協力依頼が2019年の年末から年明けに入ってしまったことにより、新型コロナの影響により実施できなくなってしまった。2020年3月に予定していた日本公民館学会での意見を求めることもできなくなり、その時点で研究がストップしてしまったため、「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナは社会教育・公民館に与える影響は大きく、「密」を避けるために休館期間をとったため、本研究への協力が得られるかどうかの見通しが立たなくなってしまった状態である。さらに緊急事態宣言解除後も、これまで通りの開館や公民館運営に制限がかかっている状態であり、これが今年度解除される見込みは今のところ立っていない。 その場合は、研究の推進方策を変更し、実装可能性については断念し、公民館地域アセスメントシートの開発を優先させ、公民館主事には遠隔で協力を依頼し、アセスメントシートについてのヒアリングを行うことで研究を進めていきたい。 その成果については、学会や公民館職員研修会、大学での社会教育主事等での還元を考えていたが、それらが今年度は中止となっているため、還元の方法については、地域的な限定をかけ、可能かつ実施できる範囲で行う計画へと変更していきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により、予定どおりの研究の進捗が見込めなかったためである。具体的には、最終年度、日本公民館学会のスプリングフォーラム(東京)に参加できず旅費を執行できなかった。また1月-3月にかけて、協力を依頼していた公民館が、新型コロナの影響で協力を得られず、出張することができなかった。その際、ノートPCを購入してアセスメントの方法について説明・分析をする予定であったが、これも不可能となった。 使用計画としては、今年度出張可能であれば、協力予定であった公民館(岡山県、千葉県)へ出張する予定である、学会出張(長野県)も行う予定である。最終年度に購入予定であったノートPCを購入し、それを使用して遠隔での協力をとりつける予定にしている。
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