2020 Fiscal Year Research-status Report
公民館地域課題解決アセスメントシートの開発に関する研究
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17K04629
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
上野 景三 西九州大学, 子ども学部, 教授 (30193824)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公民館 / 公民館主事 / 社会教育 / 地域課題解決 / 地域アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においては、本テーマの研究を計画通りに進めることはできなかった。予定では、地域アセスメントシートを開発し、調査協力をお願いしていた公民館職員の意見をヒアリングによって集約し、各地区の公民館で実装できるかどうかの実験を行う予定であった。しかし、新型コロナ感染症の影響のために、各地区公民館は緊急事態宣言を受け閉館・休館を余儀なくされ、各種の事業は中止となり、実装実験どころではなく協力の依頼ができにくくなってしまった。 そのため予定を大幅に変更することとした。制限された状況の下で、可能な調査と研究報告を行うこととした。①一つは、佐賀県立生涯学習センターと協力し、全国の生涯学習センターのコロナ対応の調査を実施した(内部資料)。この調査から、全国の生涯学習センターで地域課題解決に取り組みをしているセンターはあるものの、緊急事態宣言下で機能停止状態に陥っているところも少なくないことが分かった。②二つには、佐賀県まなび課の協力を得て佐賀県内の公民館の新型コロナ対応の調査を実施した(内部資料)。この調査から、佐賀県内の公民館では情報インフラが整備されているところが少なく、オンラインでの事業の実施、また会議の実施自体が困難であることがわかった。③三つには、①と②の結果から、緊急に求められていることは、これまでの研究成果の一部もしくは関連する内容について各種の媒体を活用して情報発信しなければならないと判断した。そのため、学会報告、学会誌・雑誌論文、研修資料、視聴用DVD等を媒介として報告した。これらの成果は研究者のみならず、公民館主事等をはじめとする公民館実践に直接携わる関係者を念頭において情報発信を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症のため、予定していた実装実験が進まなかった。そのため、これまでの研究調査の蓄積を多様な形で情報発信することに切り替えたが、当初の予定どおり進めることができなかったことから「遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、申請当初に予定していた各地区の公民館の協力を諦め、方針を変更し申請者がかかわってきた地域課題解決のこれまでの取り組みの総括的な作業を行う。その中で地域アセスメントシートに必要な要素の抽出を行う。 具体的には、佐賀県立生涯学習センターの協力を得て、10年にわたる地域課題解決学習の実践の総括を行い、報告書としてとりまとめる予定である。実践数は、29にわたる。その報告書中に地域アセスメントの有効性と課題について論じることとしている。
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Causes of Carryover |
実装実験の協力予定であった公民館が、緊急事態宣言の下で休館・閉館となり、宣言解除後も事業停止に陥ったため実装実験が難しくなった。あわせてヒアリング等の調査が実施できず、旅費等の支出ができなかったため、次年度使用が生じた。 2021年度は、大幅に研究方針を転換することとした。各地区公民館の協力を諦め、これまでの申請者がかかわってきた10年にわたる地域課題解決講座の総括を行い、その中から地域アセスメントシートに必要な要素の抽出を行うこととしている。その結果を報告書としてとりまとめるが、報告書作成にかかる人件費と印刷費に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)