2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Okinawa Youth Group Movement and Community and Adult Education
Project/Area Number |
17K04630
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山城 千秋 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10346744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
農中 至 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (50631892)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 青年団 / 祖国復帰運動 / 奄美・沖縄 / 機関誌・紙 / 米軍占領期 / 産業開発青年隊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後の米軍占領下におかれた奄美・沖縄の青年団運動を祖国復帰運動との関連で捉え、運動を担う青年たちの言説と思想を青年団機関誌・紙の分析から解明することを目的としている。本年度は、研究成果としての機関誌復刻版の発刊に向けて、①全群島、南米での資料調査および編集作業と、②学会発表に取り組んできた。 まず①では、2020年夏に不二出版株式会社より発刊予定の『占領期奄美・沖縄の青年団資料集』の編集に向けて、関係者および関係機関への資料調査および聞き取り調査を昨年度に引き続いて実施した。今年度の新たな調査先は、徳之島、沖永良部島、宮古島、石垣島、与那国島の関係者・機関であり、移民青年隊関係では、ブラジルおよびアルゼンチンにおいて調査を実施した。新資料は、個人収集家より今まで存在が知られていなかった『沖縄青年』第15号(1960年6月)の発見があった。また、移民青年隊では、沖縄県公文書館のUSCAR文書より、青年隊関係、瑞慶覧長仁理事長に関するファイルが多数見つかり、祖国復帰闘争期におけるUSCARと沖縄青年連合会の関係を知る重要な資料が確認された。南米では、日系関係機関において資料調査を実施した。このような一連の調査研究を経て、占領期の青年団機関誌の復刻版作成とその解説書の執筆作業に取り組んでいる。 ②では、この間の青年団機関誌に関する調査研究を踏まえて、2019年9月の日本社会教育学会第66回研究大会において「占領期奄美・沖縄における青年団運動の実像とその意味」の共同発表を行った。本発表では、占領期奄美・沖縄の青年団運動史研究の動向を明らかにし、青年団機関誌を同時代における島嶼間移動の視点から分析を行った。その結果、青年の機関誌の議論は、島に閉ざされておらず、占領政策、国際政治、経済の問題を島嶼間の連帯と島嶼を俯瞰する社会的視座から解明しようとする点に特徴を有するといえる。
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Research Products
(4 results)