2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on curriculum organization to promote moral development from early childhood
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17K04633
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
椋木 香子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (00520230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 納央子 山口学芸大学, 教育学部, 准教授 (50341136)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幼児教育・保育 / 道徳性育成 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はドイツの幼児教育実践とカリキュラムの関連についての予備調査と、オーストラリアの幼児教育実践とカリキュラム編成に関する分析・考察を行った。本研究では、最終的には、幼児期からの道徳性育成のためのカリキュラム編成を行うための編成原理を構築することにあるが、今回の科学研究費の助成期間においては、そのための基礎的研究として、諸外国における幼児期のカリキュラムと幼児教育実践について、視察調査・保育者へのインタビュー調査を行った。 ドイツの幼児教育施設の視察では、研究計画を変更し、バーデン・ヴュルテンベルク州で2つの幼児教育施設のフィールド調査を実施した。予定していた園は以前視察に行っていたため、新たに視察の機会が得られた方を優先した。2つの園でそれぞれ3~5時間の視察の機会を得たことから、具体的な実践事例について観察することができた。また、バーデン・ヴュルテンベルク州の教育計画も入手できたため、実践事例と保育者へのインタビューとあわせて考察が可能となった。 道徳性の育成に関しては、生活や遊びの中でのルールの学習や思いやりなどの社会性の形成を通して行われていたが、自己意識や自己形成と関連した働きかけ(自己の意思表示や判断の確認、ポートフォリオにおける「私」の自覚、「死」について考えさせる)などが特徴的であった。 オーストラリアでの視察調査は4年間継続して複数の園で実施している。本年度はカリキュラム・マネジメントの観点から考察を行い、学会で発表した。オーストラリアの幼児教育・保育の国の枠組みでは、「道徳性」という言葉は使われていないが、「お互いを認め合い、思いやり、尊重する」「多様性を尊重する」ということが繰り返し出てくる。一方、保育者のインタビューにおいて、「規範意識」に関してはあまり聞くことはなかった。幼児期における「道徳性」の枠組み・定義の捉え直しが必要だと考えられる。
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Remarks |
本研究の研究協力者であるニュー・イングランド大学(オーストラリア)の西田幸代博士・Margaret Sims教授とともに、幼児教育に関する短期留学プログラムの日本人学生とオーストラリア人学生の比較研究を実施した。研究成果は留学生教育に関する著書の一部として、2020年7月、Routledgeから出版予定。
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Research Products
(4 results)