2020 Fiscal Year Research-status Report
中堅保育者の成長プロセスを支える現職教育とキャリアラダーへの接続
Project/Area Number |
17K04647
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
井戸 ゆかり 東京都市大学, 人間科学部, 教授 (60331500)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 知美 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 教授 (10308330)
園田 巌 東京都市大学, 人間科学部, 准教授 (60772217)
小泉 裕子 鎌倉女子大学短期大学部, 初等教育学科, 教授 (80310465)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 中堅保育者 / キャリアラダー / スペシャリスト / キャリア形成 / 自己肯定感 / スキルアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中堅保育者の成長プロセスと課題について着目し、保育者の成長を支え、保育の質の向上、問題解決、就労意欲につなげる現職教育と研修についての検証、幼児教育、保育の質向上と保育者の意欲につながるキャリアラダーについての検証、それらにリンクする現職教育と研修システム構築を目的としている。 これまで、基礎的調査として保育所の自己点検評価項目の質的分析、都内の公立保育所の中堅保育士を対象としたヒアリング調査、アンケート調査を実施してきた。自己点検評価における質的分析の結果、保育者のスペシャリストとしてのキャリア形成に必要な項目が少なく、マネジメントに関する項目が多い傾向にあった。キャリアラダー構築のためには階層ごとの達成目標の明確化が必要であり、自己点検評価の項目にスペシャリストに関連する項目をバランスよく増やすなどが望ましいと考察されたため、再度、項目の見直しを行った。 また、これまでの調査結果より、初任から中堅への移行期、あるいは中堅保育者の初期の段階に離職の一つのヤマがあると仮定され、今年度は神奈川県内の経験年数5年前後の保育所保育士を対象としたアンケート調査を実施した。中堅への移行期、中堅保育士初期段階において、スキル向上、職場環境(人間関係を含む)等への不安要素がある場合に自己肯定感がもてずモチベーションが維持できなかったり、離職を考えたりするケースがみられた。この中で、アンケート調査の結果に示されたスキル向上に着目し、スキルアップと保育士の仕事に関するやりがいとの関連性について詳細に聞き取りを行った。その結果、保育士としてのスキル向上が実感できた場合は、多少のストレスを感じている場合でも離職やバーンアウトにつながることはほとんどなく、むしろ次のステップに向けての意欲が育まれていると示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による影響があり、研究代表者および研究分担者ともに校務に多くの時間を要し研究への十分な時間が確保できなかったこと、研究協力者の都合により調査が延期になったことなどから、進捗が遅れている。(本来であれば、キャリアラダーの構築にあたり、現場と研修システムがリンクするように現場での調査を行い最終的な検証を行う予定であったが、コロナ禍の影響で叶わなかった)
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で延期になっていた調査をできるだけ速やかに実施する。また、専門職としてさらに成長していかれるようなキャリアラダー構築、それらにリンクする現職教育と研修システムについて、これまでの研究結果から報告書にまとめる。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍で調査協力者の都合で調査が延期になっており、謝礼の支払いができなかったことと報告書の作成が今年度となったため。次年度は、調査の謝礼、報告書の作成に使用予定である。
|