2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study of Nationalism and Publicness in Learning Spaces of Japan and China
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17K04675
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80388842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武 小燕 名古屋経営短期大学, 子ども学科, 准教授 (00634578)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 法教育 / ナショナリズム / 公共性 / 愛国教育 / イデオロギー教育 / 暗い遺産 / オルタナティブな学び / 人権派弁護士 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度には、2013-2015年に実施した科研の基盤研究(B)との関連で、『東アジアの刑事司法、法教育、法意識』という書籍を出版した。中国、台湾、香港、日本の研究者、教育者によるシンポジウムの記録と教育現場での実践を基にしたケーススタディーであるが、本科研で行ってきたナショナリズムと公共性に関わる内容であり、本書を通じた勉強会なども少しずつ進めている。2019年、東アジアでは、香港で逃亡犯条例に反対する抗議デモが続く一方で、中国政府は愛国教育やイデオロギーを重視した教育を積極的に推進した。しかし、表面的には強い統制が底辺まで浸透しているように見える中国でも、批判的な思考を育む学びを模索する動きもある。武小燕は、河南省濮陽市と信陽市でのフィールドワークを通して、中学校、高校の生徒たちの学びの実態を調査するとともに、教育課程や教科書の分析を進めた。阿古智子は日本において、旧中野刑務所の正門について考える市民活動を通して参与観察を行い、「暗い遺産」(dark heritage) をめぐる記憶がどのように伝えられているか、あるいは伝えられていないかを調べた。この関係では、9月に九州大学でThe Politics of War Related Heritage in Contemporary Asia Symposiumというシンポジウムに参加し、世界各国の研究者たちと学術交流を行った。ここで得た繋がりを通して、来年度、香港大学出版会から出版する本の一章を書かせてもらう予定である。さらに、阿古は中国に関して、人権派弁護士やその家族の聞き取り調査を行いながら、オルタナティブな学びのあり方について研究を行っている。
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Research Products
(7 results)