2019 Fiscal Year Annual Research Report
Refugee Issues and Citizenship education in Education for International Understanding; Development of teaching materials based on European collaborative practices
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17K04701
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
横田 和子 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 講師 (80434249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 英樹 上智大学, 総合グローバル学部, 准教授 (10353377)
山西 優二 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50210498)
佐藤 仁美 目白大学, 人間学部, 准教授 (70584291)
小関 一也 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (80267434)
岩坂 泰子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80636449)
林 加奈子 桜美林大学, グローバル・コミュニケーション学群, 准教授 (90458737)
山中 信幸 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90758533)
南雲 勇多 東日本国際大学, 経済経営学部, 特任講師 (00781543)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 難民 / 市民性 / 当事者性 / 国際理解教育 / アート / 地域 / 絵本 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、市民性形成の求められる時代にふさわしい国際理解教育における難民問題学習への創造的なアプローチを求めて、ワークショップの開催、フィールドワークの実施などを過去連続して行なってきた。今年度は、日本国際理解教育学会での発表を行い、また研究報告書『難民問題学習へのアプローチ 国際理解教育に何ができるのか』をウェブサイトに掲載した。https://kokusairikai.wixsite.com/nanminstudy 本課題のキーワードは「自分ごと」「当事者性」であり、難民問題を、地球の遠いどこかで起こっていること、誰かが解決してくれること、から、一歩でも自分(たち)に近づけるための手法を模索してきた。難民問題へのかかわりや経験のない学習者にとっても参加しやすいごく身近なきっかけづくりを意識し、語り、アート、絵本、地域コミュニティでのかかわりなど、身の回りのリソースを用いた学習を通して、これまでの難民と市民の<あいだ>を揺さぶり、学習者の認識だけでなく、価値観や情動に働きかけるための国際理解教育の教材、実践について検討した。同時に、特に学校教育(小・中・高)において具体的にこうした実践を行うことの困難にも突き当たった。様々な事情で学校での難民問題の学習機会は事実上限定的であり、とりわけその必要性を頭では理解できても、いざ学習者にとって今ここで難民問題を学ぶ必然性があるのか、というところを乗り越えることが教育現場にとって高い壁になっている。しかしいじめや差別、居場所の問題などと<難民性>を照らし合わせれば、学校にこそこうした学びが求められている可能性もある。したがって、難民問題学習が、国際理解教育が、こうした現状にどのように働きかけられるのか、新たな課題も浮き彫りになっている。
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