2020 Fiscal Year Research-status Report
Shifting Atomic Policies as Reflected in The United States Park Service's Atomic Tourism
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17K04716
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
東 自由里 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (80269795)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原子爆弾 / 歴史の記憶 / ミュージアム / 原子遺産財団 / 米国国立公園 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年8月30日から9月4日までカナダ、ケベック大学モントリオール校に於いて「産業遺産国際会議」の開催が予定されていた。本研究成果の一部をこの国際会議の分科会の一つ、Reinterpreting Industrial Heritage from a Global Perspective(グローバルな視点から産業遺産を再解釈する)で発表するため、論文(英文)の概要をまとめ、2020年6月に提出し、審査を経て正式に受理されたのち、発表原稿の執筆作業に取り組んだ。しかし、コロナ禍で先行きが見えない状態となり、この国際会議は2022年の夏に開催が延期となった。発表予定の原稿は本科研のテーマである「マンハッタン計画国立公園:ロスアラモスの可能性」と題したものである。 最終年度はロスアラモスの追跡調査及び同じくニューメキシコ州のアルバカーキ市にある全米唯一の国立米国原子力博物館を訪れ、資料収集と聞き取り調査を実施する予定であったがコロナ禍で実施できなかった。 しかしながら、2020年はマンハッタン計画国立公園の完成5周年記念行事がいくつかオンラインで開催された。日本にいながらにして、本研究の分析対象である原子遺産財団の創設者であるシンシア・ケリーによる特別講演にオンラインで参加することができ、ケリー氏がマンハッタン計画に関わった原子炉の保存とその他の産業遺産を国立公園にするまでの経緯について講演を通して詳しく知ることができた。また、別の5周年記念事業として、ロスアラモス歴史財団とロスアラモス群が共同で主催するシンポジウムにもオンラインで参加することができた。登壇者はマンハッタン計画国立公園の解説責任者、ロスアラモス市の行政関係者、ロスアラモス歴史博物館の関係者など、本研究と密接な関わりがあるキー・パーソンの講演会に参加できたことは幸運であり、今後の研究成果にも多いに生かされると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定されていたカナダでの「産業遺産国際会議」開催が中止となり、また、今年度実施する予定をしていた海外追加調査をコロナ禍で中止せざるを得なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、2020年度に予定していた海外調査を2021年の夏期休暇中に実際することも現時点では、コロナ禍では困難な状況であるため実施できそうにもない。そのため、海外での追跡調査をせずに、2022年の8月に開催されることとなった「産業遺産国際会議」での発表にむけて成果の発表、執筆作業を進めていく。 国内では、2020年9月に開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」(福島県双葉郡双葉町)などの視察・資料収集を行い原子力災害について当館が公教育関連組織とどのように連携しながら活動をしているかを調査する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度の研究計画に記載していた海外調査を実施することがコロナ禍で困難となり、中止せざるを得なかった。代わりに研究成果の発表に向けて執筆作業に専念することとした。一年研究期間を延長させていただき、文献収集の経費、国内の原子力災害を伝える資料館を視察する旅費として使用する予定である。
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