教職課程履修学生の動機づけと職業アイデンティティ発達に関する縦断的研究

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K04717
• Research Institution: Doshisha University
• Principal Investigator: 田中 希穂 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (40399043)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中瀬 浩一 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (20369309) ; 大橋 忠司 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (20755384) ; 奥野 浩之 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (80552067)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 教職課程 / 動機づけ / 教師効力感 / 教師アイデンティティ

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，早期の段階での教職への意思や意欲・動機を把握し，学習動機とともにその推移をとらえ，教職関連講義や実践実習を通した教員としての資質能力の獲得過程との関連を，入学から卒業，就職後までの縦断的調査によるデータに基づいて検討することを目的とする。
2020年度は，3月から5月に開催される予定であった教職課程関連説明会および教育実習指導の講義において大学2・3・4年生のデータを収集する予定であったが，新型感染症にともなう状況下において実施が困難であったため，時期を遅らせた。4年生の教育実習後のデータ収集についても，実習の延期が相次いだため，調査を遅らせた。また，一部の教育実習については実習中止のためデータ収集ができなかった。調査が遅れているため，2018年度2年次だった学生の卒業時までの縦断的なデータ分析に遅れが生じている。これについては2021年度に実施する。
教職課程履修学生を対象とした調査以外に，現在教職の現場にいる本校卒業生にインタビューを行い，その分析を実施している。
2018・2019年度のデータを分析し，学年間の差異を検討した。その結果，教職課程の履修を通して，学年が上がるにしたがって外発的な動機づけが低下する傾向がみられた。このような傾向は，教師効力感の向上や教師アイデンティティの発達と関連することが示唆された。これら結果については，2021年度の教育心理学会で報告予定である。
2021年度においても，引き続き同様の調査を実施し，縦断的分析を実施することによって個人内の変動を検討するとともに，これらの結果を参考に現在教職課程のポートフォリオである教職履修カルテの改修を行う予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

質問紙への回答については，教職課程を履修している学生を対象としているが，調査への参加は任意としたため，縦断的にデータを収集できている学生が全回答者の一部である。
2020年3月からの教職課程各種説明会にてデータ収集していたが，新型コロナウイルス感染症の影響から，説明会が中止となり，データ収集が大幅に遅れたため，分析が終了していない。また，一部教育実習については実習中止や期間の大幅な短縮のため，適切なデータが収集できない。

Strategy for Future Research Activity

研究機関を1年延長し，収集したデータの分析を行い，教職課程履修による発達的要因の検討を，縦断的なデータを用いて分析を行いう。これらの結果を活かしたeポートフォリオシステムの改良に取り組む。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症の影響により国際学会や外国研究者との打ち合わせが中止となったため，その旅費を2021年度の学会発表費・旅費とする。また，同様の影響により，インタニュー調査も十分に実施できず謝金を払えなかったため，2021年度に調査を実施する際の謝金とする。

次年度使用計画：物品費（Web調査実施用ipad一式：15万円），参加費・旅費（日本教育心理学会，日本発達心理学会，日本心理学会，日本グローバル教育学会への参加，研究打ち合わせ（東京・金沢）：30万円），消耗品費（筆記用具等：3万円），人件費・謝金（データ入力・資料収集・Web構築補助：6万円），その他（Web構築関連費，教師教育関連の書籍代，通信費等：152,355円）。