2022 Fiscal Year Annual Research Report
Building effective preschool- family partnership in the Netherlands
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17K04720
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
松浦 真理 帝塚山大学, 教育学部, 教授 (10352923)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 親の会 / 保育理解 / 連絡ボード / 子どもを取り巻く環境の変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文献から抽出した親と保育機関との関係について、複数の保育機関などで具体的なパートナーシップ形成に関するインタビューなどを実施するのが最終目標であったが、そこに到達できなかったので、今後の課題とする。以下に現地取材時の主な知見を述べる。 まず、親の会(BOinK)の意義と活動についてである。BOinKは2005年にオランダではじめて保育法が成立した際に、国と保護者との関係についての取り決めなどを代表した親の会代表組織である。この会の代表のG.Jellesma氏に聞き取りを実施した。オランダの保育組織の90%程度がこの組織に加入しているが、もともと親の考え方を法律に導入するという観点で設立されたので、親と保育機関との良好な関係だけではなく、親の働き方や、乳幼児期の子どもに対する伝統的な考え方などがより良い保育のための要因となっていること勘案し、国に対応していくことが重要ということであった。 次に、オランダにおける保育機関と保護者の関係の実像についてである。4大都市を含むオランダ42の自治体で保育所、学童保育、託児施設を展開しているBLOSの有する保育所、Leidewegを訪問しマネージャーのA.Droog氏に聞き取りを実施した。上記「親の会」には保育組織全体としては加入しているが、親の会を通して何かするのは「最終手段」であって、基本的には日常的に保護者との丁寧なコンタクトによってトラブルを回避している。保護者は入所時に納得したうえで入所するので、協力的でる。保育の教育的意味を保護者に伝えるのは難しく、運営などを「ともに」することはほとんどない。コンタクトボードを利用して写真と内容について説明したり、こどもの発達記録を、この園で使用している保育プログラム(Uk enPuk)に添って記録しているので、親との懇談の際に個別に話すようにしている。 これらの報告を取りまとめて、大学紀要に執筆する予定である。
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Research Products
(1 results)