2018 Fiscal Year Research-status Report
Academic dishonesty in developing countries: Life-stories of university students
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17K04721
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Research Institution | Osaka Jogakuin College |
Principal Investigator |
前田 美子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 教授 (70454668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学業不正 / ライフストーリー / 開発途上国 / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
開発途上国の学校では、カンニングや盗用などの学業不正行為が日常的に行われていることがある。学校教育の質や援助の効果・効率を低下させているが、その実態の解明は進んでいない。本研究は、開発途上国の初中等教育現場における学業不正について、大学生のライフストーリーから、その実態と背景を明らかにし、防止策について考察することを目的とした。 2年目となる2018年度は、昨年度、カンボジアの現地調査で収集した情報の整理と分析を行った 。具体的には、(1)19名のプノンペン市内に通う大学生を対象にしたインタビューのトランスクリプトの作成と翻訳作業を行った。(2)特に、特徴的であった男性2名、女性2名のライフストーリーから、不正のトライアングル理論を用いて、カンニング行為を行ってきた要因について考察した。(3)この予備的考察について、日本比較教育学会と東南アジア教育研究フォーラムにおいて報告した。(4)この報告を通じて得られたフィードバックをもとに、現地の研究アシスタントを通じて、再度、カンボジアの大学生と連絡を取り追加情報を得た。また、文献及びカンボジア教育省スタッフとのメールのやり取りから、カンボジアの試験制度に関する、詳細な情報を収集した。(5)19名全員の事例を対象とし、異なる理論的枠組みを用いて分析を進めた。 また、カンボジア以外の開発途上国の学業不正に関する文献と、学業不正の研究がすすんでいるアメリカの文献を収集し、批判的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、 (1)カンボジアの現地調査で収集した情報の整理と分析を行った。 (2)カンボジア以外の開発途上国の学業不正に関する情報を、ある程度、得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2019年度は、学業不正行為に関し、カンボジアと他の開発途上国との、比較考察を行っていきたい。また、国内外の関連学会・学会誌で、研究成果を広く発表していきたい。
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Causes of Carryover |
データ分析にかかわる人件費が生じなかったこと、予定していた国際学会に参加できなかったことにより、2019年度の使用額が生じた。広く研究成果の発表を行う活動に使用する。
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Research Products
(2 results)