2021 Fiscal Year Research-status Report
Academic dishonesty in developing countries: Life-stories of university students
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17K04721
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Research Institution | Osaka Jogakuin College |
Principal Investigator |
前田 美子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 教授 (70454668)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 学業不正 / カンニング / ライフストーリー / カンボジア |
Outline of Annual Research Achievements |
開発途上国の学校では、カンニングや盗用などの学業不正行為が日常的に行われていることがある。学校教育の質や援助の効果・効率を低下させているが、その実態の解明は進んでいない。本研究は、開発途上国の初中等教育現場における学業不正について、大学生のライフストーリーから、その実態と背景を明らかにし、防止策について考察することを目的とした。 研究期間の延長が承認された2021年度は、2020年度に残された課題に取り組んだ。それは、本研究が位置する比較教育学の枠を超えて学際的な視点で研究結果を考察することと、国際学会などで研究成果を海外へ発信することである。具体的な活動は、以下の通りである。 (1) カンニング行為の背景として、開発途上国のカリキュラム開発に対する国際協力に着目し、日本を含むさまざまな援助機関の取り組みがカンニング行為の蔓延にどのような影響を与えてきたかを詳細に調べ、国際開発学会で発表した。 (2) 北米比較・国際教育学会(Comparative and International Education Society)において研究成果を発表した。 (3) 欧米の生徒・学生の学術不正に関する研究を中心に行っている学術団体International Center for Academic Integrity の年次大会において、開発途上国のカンニングの実態を報告することができた。倫理規定や罰則など欧米での防止策が開発途上国に応用できるのかという問題に関し議論を行った。 また、2020年度に引き続きコロナ禍におけるカンニング行為の実態について情報収集を行った。オンライン授業における不正行為防止策の情報も収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ある程度、研究成果の海外への発信ができた。しかし、コロナ禍の影響でカンボジア以外の開発途上国の情報を現地で収集することができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
カンボジア以外の開発途上国の情報をフィールドワークあるいは代替手段によって収集する方法を模索する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国際学会参加やフィールドワークなど海外での活動が制限されたため次年度使用額が生じた。コロナ禍の状況を見ながら海外での活動に使用したい。
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