2017 Fiscal Year Research-status Report
公立進学校の教育効果―高校時代の経験とキャリアとの関連性をめぐる実証的研究
Project/Area Number |
17K04728
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱中 淳子 東京大学, 高大接続研究開発センター, 教授 (00361600)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教育の効果 / 卒業生調査 / 高校教育 / 学習時間 / 部活動 / 学校行事 / 高大接続 / キャリア教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間というスパンで進める本研究は、(1)文献調査、(2)進学校として知られる公立高等学校の卒業生を対象にした質問紙調査+すでに実施・分析した私立進学校卒業生の特性との比較、(3)対象校卒業生への聞き取り調査、(4)分析・研究成果発信、という4つの柱によって構成される。初年度にあたる今年度は、とくに(2)の公立高等学校卒業生を対象にした質問紙調査の準備に多くの時間を充てた。 申請時において、本科研では2~3の公立高等学校を対象に卒業生調査を実施したいと考えていた。しかしながら他方で、採用以降、予定になかった次のような展開がみられた。すなわち、研究代表者が関わっている別の研究プロジェクトにおいて、ある公立進学校の卒業生調査が実施され、本科研の分析でもその調査データを活用してよいという許可が得られたのである。そのため、本科研では、さらにもう1つの公立進学校に大規模な卒業生調査を実施し、その調査データの仔細な分析を行うとともに、上述のプロジェクトとも連動させながら総合的な分析を試みるというものへと方針を転換することにした。 以上の経緯を踏まえ、ある公立進学校(首都圏に位置するいわゆる「伝統的進学校」)に調査協力の依頼を行ったところ、協力が得られることになった。今年度はこうした選定作業に加え、対象となった高等学校の同窓会メンバーと3回にわたる打ち合わせを行い、調査票の完成へと努めた。 結果、調査票はほぼ完成しており、調査自体は平成30年8月下旬に実施する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時においては、今年度は調査の実施まで予定していたが、本科研卒業生調査協力校の都合により、平成30年度の夏に調査を実施することになった。調査実施自体は遅れているが、すでに調査票も十分な議論を経たうえで完成に至っており、あとは実施を待つのみとなっている。分析のための時間にもまだ余裕があり、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の実施自体はすでに動き始めているので、今後は「対象校卒業生への聞き取り調査」の企画の準備を始めることにしたい。 また、すでに研究代表者が実施した私立進学校卒業生調査データとの比較も可能となれば、知見は一層深まると考えられるため、該当校へのデータ利用許可をとる手続きにも入りたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度実施する予定の調査が、平成30年度実施へと変更になったため、残額が多くなっているが、とくに計画の遂行自体に問題が生じているわけではない。
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