2018 Fiscal Year Research-status Report
公立進学校の教育効果―高校時代の経験とキャリアとの関連性をめぐる実証的研究
Project/Area Number |
17K04728
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱中 淳子 東京大学, 高大接続研究開発センター, 教授 (00361600)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教育の効果 / 卒業生調査 / 高校教育 / 高大接続 / キャリア / 進学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間というスパンで進める本研究は、(1)文献調査、(2)進学校として知られる公立高等学校の卒業生を対象にした質問紙調査+すでに実施・分析した進学校卒業生の特性との比較、(3)対象校卒業生への聞き取り調査、(4)分析・研究成果発信、という4つの柱によって構成される。2年目にあたる今年度は、とくに(2)公立高等学校卒業生を対象にした質問紙調査の実施と単純集計表の作成に多くの時間を充てた。 具体的には、ある1つの公立進学校(首都圏に位置するいわゆる「伝統的進学校」)の卒業生(1978年3月~2012年3月の間に卒業した者が母集団)に対して質問紙調査を行った。設定した調査項目は、(A)高校時代の学習・課題活動のこと、(B)大学時代の学習・課外活動のこと、(C)就業後から現在までのキャリア、(D)知識・能力や自身の特性等に関する自己評価、(E)高校・大学への評価、などである。実施時期は2018年8~9月、郵送数7840、有効郵送数7777、回収数1755、回収率22.8%だった。 回収した回答済み調査票はすでにすべてデータ入力し、単純集計表を作成、概要をまとめた冊子を作製した(2018年度末時点では、関係者のみに公開)。 2019年度からは既存の進学校卒業生調査データも加えながら多面的な分析を試み、卒業生への聞き取り調査と並行しつつ、より詳細な結果をまとめる予定である。なお、研究成果発信の媒体としては、WEBでのコラム形式記事、また学会発表などを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査への協力を求めた公立進学校における質問紙調査を無事に実施することができ、また、回収率22.8%、回収数1755という十分な規模のデータが得られたことから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
調査データの分析は調査代表者が責任をもって行うが、対象校関係者と連絡を密に取ることで結果の解釈に深みをもたせ、またこれまで築いてきた報道関係者とのネットワークも活用し、より広く発信する方法を探っていきたいと考えている。
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