2019 Fiscal Year Research-status Report
アジアにおける「地理的探究に基づく学習」の導入と実践に関する比較研究
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17K04730
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
金 ヒョン辰 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10591860)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地理的探究 / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、持続可能な世界を目指し、生徒自ら地球的および地域的な課題の解決策を探る「地理的探究に基づく学習」に注目する。3年目になる2019年度の研究活動では、アジアの国や地域(香港、シンガポール、中国、韓国)の中等地理カリキュラム及び教科書分析を通して、その導入と展開を明らかにした。また、その結果を踏まえながら、日本における「地理的探究に基づく学習」のモデルを提案し、高校の新設科目「地理総合」での適用を試みた。具体的な研究成果は以下である。 ①昨年度から引き継き、韓国の沈 光澤教授(晉州敎育大学)、中国の董玉芝教授(延辺大学)との共同研究を行ない、韓国の学会にて発表を行った(「韓中日高等学校地理教育課程の比較分析」、韓国地理環境教育学会夏季研究大会、2019年6月、韓国教員大学校)。 ②シンガポールの地理教科書を分析し、地理的探究に基づく学習の様子を明らかにし、日本の学会にて発表を行なった(「シンガポールの前期中等地理教科書から見る地理的探究に基づく学習」、中等社会科教育学会第38回全国研究大会、2019年11月、筑波大学)。 ③地理総合における「地理的探究に基づく学習」の可能性を明らかにし、イギリスの学会にて発表を行なった(「The Geographical Enquiry as a model for Curriculum Making in the Japanese Context」、GTE Conference 2020、2020年1月、ロンドン大学) 以上のように、国内外での学会発表は大きな成果である。次年度ではこれらの発表成果を踏まえ、投稿論文としてまとめることを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長期在外研究(2018年10月から2019年8月まで)と重なったことや、研究対象として設定した香港が情勢不安定なために現地調査が難しくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の2つである。 ①今回提案した「地理的探究に基づく学習」のモデルを踏まえ、地理総合の授業案を開発しその有効性を確認する。 ②これまで国内外の学会で行った発表内容を投稿論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
理由は以下の2点である。 1点目は、2019年度前半をイギリスで長期在外研究を行なったことで、国内の資料整理のための研究補助の学生を雇うことができなかったからである。 2点目は、研究対象として設定した香港が情勢不安定なために現地調査が難しくなったからである。 以上の理由により、次年度の使用額が生じた。
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