2019 Fiscal Year Research-status Report
The body matters: embodying the musical creativity and communication
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17K04735
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
今田 匡彦 弘前大学, 教育学部, 教授 (30333701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 身体性 / サウンドスケープ / ユニヴァーサル・デザイン / インクルーシヴ教育 / サウンド・エデュケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の音楽教育は既成の音楽を基盤に展開されてきたため、楽譜の再現や鑑賞が重視されてきた。その結果音楽に必要な身体性と創造性が欠如する傾向があった。本研究では①サウンドスケープ、サウンド・エデュケーションを海外と国内でのアクション・リサーチにより再検討し、②身体性と創造性による音楽教育プログラムの開発、③西洋と非西洋とを超越する音楽そのものの解明を目的とする。2019年度は①②③を基盤としたこれまでの成果をマカオで開催されたAPSMER2019 でのpaper session"Soundscape, Universal Design and Music Education"及び、台湾、日本、韓国、マレーシア、香港の研究者による国際共同研究パネル"Technology in Music curriculum and its Practice"にて発表し、国際的な汎用可能性についての更なる検討を行った。。サウンド・エデュケーションによるアクション・リサーチでは、弘前大学教育学部附属小学校、中学校、特別支援学校にてアクション・リサーチによる共同研究を継続的に行い、公開授業として一般に公開した。2019年度はこれらの成果に加え、評価、及び幼稚園、保育所での共同研究を行い、日本音楽教育学会第50回東京大会共同企画「Out of Logos:哲学身体論によるUniversal Designの構築」(今田匡彦、塚原健太、小枝洋平、千葉修平)にて発表した。以上の研究成果を論文「子どもたちのためのユニヴァーサル・デザイン:サウンドスケープと音楽教育」『日本哲学史研究』第16号pp.66-85に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年度はこれまでの研究成果を国内外の学会(The 12th Asia Pacific Symposium for Music Education Research (APSMER) 2019, Macao Polytechnic Institute、日本音楽教育学会第50回東京大会、東京藝術大学)にて発表し評価を得た。APSMER2019では国際共同研究の継続、日本音楽教育学会大会では評価と幼稚園、保育所への研究の拡大に着手した。弘前大学教育学部附属学校園に於けるアクション・リサーチも継続的に行い、学校現場への更なる汎用可能性について実証しつつある。以上のアクション・リサーチから得たユニヴァーサル・デザイン及びインクルーシヴ教育の知見、西洋と非西洋を架橋するための理論・実践両面の研究は英国ロンドンのThe University of Greenwichでの講演"Sound Education and Universal Design towards the Music of Philosophy for Children"にて国際的にも評価された。
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Strategy for Future Research Activity |
身体性と創造性を重視したサウンドスケープ及びサウンド・エデュケーションに基づく音楽教育プログラムの試案として、2019年度は弘前大学教育学部附属小学校、中学校、特別支援学校でアクション・リサーチを継続的に行うとともに、国内外にて成果発表を行った。2020年度はこれまでの研究を総括し、International Society for Music Education Commission on Policy: Culture and MediaにてOnlineによる国際共同研究パネル"Technology in Music curriculum and its Practice"に参加するとともに、2本の研究論文"Soundscape Design, Sound Education and Social Inclusion as a New Curriculum Policy in Music," "How Music Teachers Teach Children to be Alone through Digital Technology in Music?"をConference Proceedingsに寄稿予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度開催予定のthe 20th International Seminar of the ISME Commission on Music Policy: Culture, Education, and Mediaにて成果発表を行う予定のため。
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