2021 Fiscal Year Annual Research Report
The body matters: embodying the musical creativity and communication
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17K04735
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
今田 匡彦 弘前大学, 教育学部, 教授 (30333701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サウンドスケープ / サウンド・エデュケーション / ポスト構造主義 / ロゴス / 身体性 / 創造性 / 修辞学 / 学習指導要領 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の音楽教育は既成の音楽を基盤に展開されてきたため、楽譜の再現や鑑賞が重視されてきた。その結果音楽に必要な身体性と創造性が欠如する傾向があった。本研究では①サウンドスケープ、サウンド・エデュケーションを海外と国内でのアクション・リサーチにより再検討し、②身体性と創造性による音楽教育プログラムの開発、③西洋と非西洋とを超越する音楽そのものの解明を目的とする。2021年度は上記①②③を基盤とした研究成果を、2021年6月に開催された日本教育大学協会全国音楽部門第46回大会全体会1「教科教育と教科専門:新学習指導要領を基盤として」(企画:今田匡彦)の〈提言IV.サウンド・エデュケーションと学習指導要領―表現と鑑賞を架橋する新たなオンガクの創生〉として発表した。また同年9月に開催された日本音響学会2021年秋季研究発表会にて研究発表(招待講演)するとともに、Conference Proceedingsに招待論文「書式と時間を超えた新たなオンガクの創生:R.マリー・シェーファーのサウンド・エデュケーション」"Difference and Deferral in Designing Music: Of R. Murray Schafer’s Sound Education" (pp. 1339 - 1342)が掲載された。この論文ではDeryck Cookeの『The Language of Music』を用いて西洋調性音楽の特徴をlogosを基盤とした修辞性に見出すとともに、ポール・ド・マンによる修辞学研究、ソシュール言語学、ジャック・デリダによるポスト構造主義哲学、オーストラリアの先住民族によるドリーム・タイムの伝統等を援用することにより分析した。その上でR.マリー・シェーファーによるサウンドスケープ論及びサウンド・エデュケーションをロゴス(言語)の外側の身体性を重視した実践と結論づけた。この発表では、以上の理論構築に根差して開発された音楽教育プログラムの実践も紹介した。
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Research Products
(3 results)