2019 Fiscal Year Annual Research Report
A theoretical and practical study on introduction of service-learning to high school civics
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17K04740
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
唐木 清志 筑波大学, 人間系, 教授 (40273156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | サービス・ラーニング / 高等学校 / 公民科 / 現代社会 / 公共 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の二つの研究を進めた。第一に公民科教員に対するインタビュー調査、第二にこれまでの研究を総括する意味での、高等学校公民科へのサービス・ラーニング導入に関する構想である。 第一のインタビュー調査、具体的には、茨城県A教員(7月)、埼玉県B教員(8月)、東京都C教員(8月)の3名の公民科教員に対して実施した。この他に、社会科系の専門学会である日本公民教育学会(6月)と日本社会科教育学会(9月)においても、サービス・ラーニングに関心を寄せる公民科教員複数人に対してインタビュー調査を実施した。これらのインタビュー調査の結果から、以下の2点の事実を確認することができた。一つ目は、現行の学習指導要領の下では科目「現代社会」、新しい学習指導要領の下では新科目「公共」において、実施は可能であるということである。特に、後者に関しては、最終単元にあたる「内容C 持続可能な社会づくりの主体となる私たち」の可能性が高いことを確認した。二つ目は、実現するためにはいくつか乗り越えるべき課題のあるということである。公民科教員からは、地域社会との連携と受験のことが大きな不安材料であることを確認した。 第二の高等学校公民科へのサービス・ラーニング導入に関する構想、これはこれまでの3年間の科研費研究の総括の意味合いがある。その骨子は、次の3点にまとめることができる。一つ目は、サービス・ラーニングを広義に解釈して、具体的な行動を伴わない提案レベルの学習活動をも認める必要があること。二つ目は、具体的な行動を伴った学習活動を展開するためには、総合的な学習の時間や「産業社会と人間」(総合学科)との連携は不可避であること。三つ目は、公民科にサービス・ラーニングを部分的に導入するという発想ではなく、年度の始めから最後に到るまで、全体に導入するという発想に立つことである。
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Research Products
(2 results)