2018 Fiscal Year Research-status Report
人口減少社会における多文化的社会科教育に関する国際比較研究
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17K04746
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90302504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 益美 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20616495)
佐藤 公 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (90323229)
宮崎 沙織 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90591470)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人口減少社会 / 社会科 / 多文化教育 / アメリカ / カナダ / ドイツ / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
カナダ・トロント大学にあるオンタリオ教育研究所(OISE:Ontario Institute for Studies in Education)にて,カナダの社会科カリキュラムや教科書,教材,教師用指導書などどの資料の収集及び教材開発についての情報収集を行った。特に,カナダの社会科においてCitizenship EducationとMulticultural Citizenshipの関係を中心に検討した。 2000年以降,カナダ全州の教育省がCitizenshipの育成を強調した社会科への改訂や新教科・科目の導入など,Citizenship Educationへの取り組みが改めて盛んになっている。そこでは,Taylor, C. (1993)の提唱する「アイデンティフィケーションの極(pole)の多元性」を承認し,「国家への所属の仕方の多元性をも承認し受容する」Citizenship Education Educationが展開されている。しかし,連邦政府がMulticulturalsimを掲げている一方,フランス系移民が多数を占めるケベック州だけはMulticulturalsimに対しては批判的である。ケベック州が主張するのはInterculturalismである。ケベック州はいわばCultural Pluralismに近いカナダのMulticulturalsimには背を向け,マジョリティの文化を上位に置いた上で,その他のすべての文化をできる限り尊重するようaccommodation(調整)し続けることを志向する,Interculturalismを志向している。 Multicultural EducationとIntercultural Educationの両者の拮抗とバランスについて検討することが,今後の研究課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,各研究分担者を中心に,カナダとドイツ及びポーランドにおける調査を進めることができた。カナダとドイツの国民形成と多文化社会形成の関連について調査することができ,順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,計画通りにアメリカ・カナダ・ドイツ・韓国における補充調査を展開する予定である。令和元年度は,研究期間の最終年度にあたるため,上記の補充調査を含めて,多文化的社会科教育の国際比較について,過去との向き合い方や社会的意志決定や市民的行為における「多様性」と「公共」のバランスをどのようにとっているかを中心に,比較検討し,研究結果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に購入予定であったパソコン( Apple Mac Pro ME253J/A)を,研究成果をまとめる令和元年に変更したため,次年度使用額が発生した。 令和元年度分として申請した執行計画に,研究成果整理用のパソコンを購入する予定である。
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Research Products
(5 results)