2017 Fiscal Year Research-status Report
重色とブレンディング・モードによる美術教育法に関する比較研究および実証
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17K04747
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
後藤 雅宣 千葉大学, 教育学部, 教授 (00234998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 延昌 会津大学短期大学部, 産業情報学科, 准教授 (90341742)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重色 / 色彩教育 / ブレンディング / 混色 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2010年からの重色研究のための写真技法フォトグラムに着目した研究、2014年からの重色の表現手法に関わる研究、それらの延長上に、2017年から4年計画で進めているものである。重色、すなわち色を重ねて色を作る表現行為を取り上げ、表現方法としての、また教育方法としての価値を、別の角度すなわち着彩具やコンピュータ上で再構築していくという一連の作業に続くものとして開始してきた。 混色に依らない重色という方法を、造形要素として捉え直し、その表現手法としての可能性や、それによる造形教育の新しい方法論を、コンピュータを活用した制作での実証をもとにしながらより分析的に探求し、感覚に偏りすぎることのない客観性のある造形教育方法を構想して、造形教育活動での試行を続け、新規にして具体的かつ安定的な教育題材としての確立を図ろうとするものである。 当該年度は当初計画の通り、視覚表現における色を生成する行為について、文献資料をもとにそれらについて探求すると同時に、重色による表現効果の、制作による実証及び発表を行いながら様々な表現における重色の事例を収集するというものであった。美術・デザインに関する表現技法に関する書物等により、色を生成するという行為が、美術の世界や、色を扱うデザインの世界で、どのような方法(混色、重色、並置加法混色等)で行われてきたのかということについて、押さえなおすことができてきている。この結果の一部は、日本基礎造形学会論文集「基礎造形025」の 作品集部門において研究発表(題目「重色とブレンディング」)を行った。また、10点程度の重色のみによる表現制作物を各国にて発表したことで、その視覚効果についてもあらためて確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本基礎造形学会論文集「基礎造形025」作品集部門に発表した、視覚表現における色を生成する行為についての研究「重色とブレンディング」の査読審査では、修整の必要無しという高い評価が得られている。また、制作による重色の表現効果の実証及び発表では、東京都美術館(日本東京)、つくば美術館(日本つくば市)、ソウルアーツセンター(韓国ソウル市)、カッパウィ美術館(韓国木浦市)、東京工芸大学(日本東京)、温州科技大学(中国温州市)、雲林科技大学(台湾斗六市)、サンクトガレンデザインスクール(スイスサンクトガレン市)、五大陸博物館(ドイツミュンヘン市)等にて制作発表を行ったが、東京工芸大学でのアジアネットワークビヨンドデザイン展では、重色のみによる制作物「The Resonant Colors JUSYOKU-J」がグランプリを受賞でき、その視覚効果について一定程度の確証が再認識できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では、次年度の研究内容は、絵の具による重色を様々な着彩材料において試験し、そのデータを整理すること。および重色による表現効果の、制作による更なる実証及び発表、としている。この内容に沿って研究を進展させていくことになる。 また、視覚表現における色を生成する行為についての文献資料、重色に関わる文献資料等の検証が、十分とはいえないことから、この作業についても継続的に進めていく。
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Research Products
(14 results)