2017 Fiscal Year Research-status Report
若手教員の初年度授業力充実をめざす教員養成教育についての研究~実技教科を中心に
Project/Area Number |
17K04757
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
隅 敦 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (30515929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 晋平 奈良教育大学, 美術教育講座, 准教授 (10552804)
三根 和浪 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80294495)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 若手教員 / 実技教科 / テキストマイニング / 質的データ分析ソフト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,授業力を「子供に学力をつけるために教師に求められる力」と規定し,教員養成教育の段階での学びがどのように生かされているか,採用されて3年次までの若手教員を対象にして以下の調査を行った。 ①若手教員の実技教科の授業の動画撮影を行い,事後共に動画分析の結果について確認しながら,教科観・授業構成力・教師の技能・授業準備・指導技術・他教科の指導と重複する指導法について,教員養成段階での既習事項との比較を行った。②聞き取り調査の録音記録をテキスト化しテキストマイニングソフトを通してキーワードを抽出しながら,若手教員がどのような視点で授業を作り上げていくのか,関心の高い内容を焦点化した。③質的データ分析ソフト(MAXQDA)に若手教員の授業動画記録のデータ,発話記録・聞き取り調査のテキストでータをインポートし,コーディングしながら再分析を行って実態を整理した上で,教員養成教育で求められる要素を抽出した。その結果,若手教員の実技教科における授業力向上をめざすための課題は以下のようになった。①導入部に「指示」に分類した発話の出現率が非常に高く,授業の展開部においても,導入部の「指示」が徹底していないことから,指導事項が児童に伝わらない場面が多く見られた。②環境構成に関する板書やICT機器の活用について,教師の発話と連動していない場面が見られ児童に活動内容を十分に理解させることができないことがあった。③展開部において「同意」に当たる発話が少なく,子供の活動のよさを認めていきながら,一人一人の抱える問題に応じた指導ができないことがあった。そこで,平成30年度の一部の実技教科の必修科目において模擬授業の際に,「発話チェックカード」を用いて,教師役の発話を確認させることにし,板書やICT機器の活用と発話を結びつけた指導の妥当性について確認できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
9月までには、1年次の質的データ分析を終了させ、以下のように10月以降、授業ビデオ撮影及び聞き取り調査を実施し、新たなデータ加えて、分析の精度をより高めていく予定である。 ① 平成29年度と同じ手法で,1年目に指導していない実技教科も含めて記録及びデータ分析をし,聞き取り調査を行う。 ② 2年目の研究成果をもとに申請者の担当している講義シラバスの内容の見直しを行い,他の実技教科担当教員に情報を提供する。 平成31年度学部3年対象前期講義「図画工作科教育論」および学部2年対象後期講義「図画工作」の中に改善点を盛り込んでいく。また,体育科,家庭科,音楽科担当の教員にシラバス改善の資料を提供する。 ③ 研究成果を所属学会で発表する。
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Strategy for Future Research Activity |
9月までには、1年次の質的データ分析を終了させ、10月以降、授業ビデオ撮影及び聞き取り調査を実施し、新たなデータ加えて、分析の精度をより高めていきたい。
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Causes of Carryover |
ある物品費の値段が、予定よりも安価であったため。
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Research Products
(1 results)