2018 Fiscal Year Research-status Report
子供の学びを包括的に支える反省的実践家の家庭科教師教育プログラム開発の総合的研究
Project/Area Number |
17K04758
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
磯崎 尚子 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (70263655)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 哲夫 広島大学, 教育学研究科, 教授 (90243534)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 家庭科教育 / 教師知識 / 家庭科教師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、家庭科を学び、教える意義について、教材研究と教師知識の2つの側面から検討を行った。日本の伝統的食文化に関する家庭科の教材開発及び被服製作の技能の育成を目指す教材開発を行った。小学生と大学生を対象にした量的調査などから、小学校で獲得すべき被服製作の技能及び食に関わる調理の技能が大学生では定着していないことが明らかになった。その結果、伝統的食文化の継承のためには小学校から系統的な学習が必要であること、そのための教材開発が重要であること、などの得られた知見から、小学校の教材開発を行い、試行的授業を実施した。また、被服製作の技能の定着を目指したアクティブ・ラーニングを取り入れた小学校の教材開発と授業実践を試行した。 次に、小学校教師のうち中学校及び高等学校の家庭科の教員免許状を有しない男性教師の家庭科授業で活用する教師知識に関して、若手教師と熟練教師に関する実態調査の分析を実施した。その結果、熟練教師と若手教師では、教師知識の量と質に大きな違いは認められなかったこと、教職経験年数に限らず、授業研究の経験の有無と同僚からの学びの機会が教師の成長にとって重要な要因となっていること、などが明らかとなった。また、高等学校家庭科の授業づくりに関する熟練教師と若手教師の教師知識に関する研究を行った。その結果、熟練教師と若手教師では、その知識の量と質に違いが認められた。加えて、家政系学部出身の教師と教育系学部出身の教師でもその知識の内実で違いがあることが明らかとなった。とりわけ、家政系学部出身の家庭科教師は家庭科の学問的専門性を重視した教材研究を中心に考える傾向が認められたのに対して、教育系学部出身の家庭科教師は教育的文脈を考慮し生徒を主体にして考えた授業展開を考える傾向が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的研究に加えて、実証的・臨床的研究も実施しており、その相互補完も行っている。また、その知見も国内外の学会で発表(口頭、論文)し発信している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究目的に従って、これまでの研究を継続し、発展させていく。得られた研究成果は、国内外の学会において発表(口頭、論文)し、批評を受け、それを研究に反映させる。 また、これまでの研究における課題について精査し、それへの対応をする。
|
Research Products
(6 results)