2022 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the development of versatile abilities in German music departments
Project/Area Number |
17K04762
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中島 卓郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20293491)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音楽科教育 / ドイツ / 海外連携 / 前期中等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ドイツの音楽科における学習のうち前期中等教育段階に係る部分に焦点化し、学習内容および方法を解明することによって汎用的能力の育成について明らかにした。研究対象は教科書『DREIKLANG Musik 7・8』(2013)である。これはドイツで広く使用されているものである。 「音楽の機能・効果」に関連する学習では、音楽することの身体、精神へのプラス効果、音楽療法(受動的療法の実際、能動的療法の実際、療法士養成の方法と機関)、音楽と関連する小説・映画の具体などが扱われている。また、「音楽の文化的風土の探索」に関連する学習では、ドイツ国歌に関する歴史と特徴(西ドイツ国歌、東ドイツ国歌、統一後のドイツ国歌)、ソルビア人の文化(言葉・文化への弾圧と現在、政治的取り組み)、若者の文化と音楽(20世紀初頭の若者の傾向、様々なジャンルの音楽)などが扱われている。いずれも、我が国の学習内容と比較して、学習の対象に多様性がみられ、範囲も極めて広く、その内容は発展性に富むものである。 学習方法としては、学習内容に関連する事柄を調査・討議させるなど、学習者自身が主体となって学ぶ授業が展開される。特定の楽曲について学ぶだけではなく、学習内容に沿って結果的に様々な音楽や多くの情報、考え方に触れるのである。したがって、学習内容は限定的なものではなく広がりを見せ、他者との討議を経て思考が深まり、汎用的能力の育成に繋がっていくことになる。
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Research Products
(2 results)