2018 Fiscal Year Research-status Report
自律的学習能力・創造的問題解決能力を育成する数学授業モデルの開発
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17K04795
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
秋田 美代 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80359918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成川 公昭 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 特命教授 (60116639)
齋藤 昇 立正大学, 社会福祉研究所, 客員研究員 (60221256)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 算数教育 / 数学教育 / 自律的学習能力 / 数学固有の知識観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、児童生徒の算数・数学に対する自律的学習能力の向上を図り、創造的問題解決能力を育成する、新しい教授・学習モデルを開発することである。学校教育において、算数・数学の活用力を十分に高められていないことは、日本及び世界の数学教育の積年の課題である。本研究では、数学の学問的構成原理から導かれる数学固有の知識観を基にして、学習内容を構造化することによって、算数・数学の指導と学習を困難にする要因と考えられている系統性の強さを、指導や学習の柔軟性を生むための強みにして、新しい数学授業構成原理を構築する。 平成30年度は、研究目的を達成するために、「自律的学習能力・創造的問題解決力を育成する教授・学習モデルの開発とその効果の検証」を行った。そこでは、まず、数学固有の知識観に沿って児童生徒の認知における関係の表象に着目して構築した数学授業構成原理を基に、算数・数学に対する自律的学習能力・創造的問題解決能力を育成するための要素として「新たな性質や関係の中に既習の性質や関係を見出すこと」、「新たな性質や関係と見出した既習の性質や関係がどのように繋がるか考えること」、「新たな性質や関係と見出した既習の性質や関係を使って、新たな性質や関係を解釈し直すことで、新しい知識を創出すること」を同定した。これらの要素と算数・数学の学習内容の中の共通概念の抽出とモデルの可塑化による学習内容の構造化とを体系化することにより、教授・学習モデルの開発を行った。開発した教授・学習モデルを日本の小・中学校、タイの小学校での算数・数学の授業等で実践した結果、児童生徒はそれまでに学んだ性質や関係を見出し、それを使って考えれば自分自身で新たな知識が創造できることが実感できており、知識創造型のアクティブラーニングを実現させるために有効に活用できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、児童生徒の算数・数学に対する自律的学習能力の向上・創造的問題解決能力を育成のための新しい教授・学習モデルを開発するという目標を達成するために、次の5つの活動、1)算数・数学の学習内容の中の共通概念の抽出とモデルの可塑化による学習内容の構造化、2)数学固有の知識観を基にした数学教育の授業構成原理の構築、3)事物から本質的な関係・性質を見抜く目を育てる数学複合教材の開発、4)1)から3)を一連の系とする、自律的学習能力と創造的問題解決力を育成する数学教授・学習モデルの開発、及び効果の検証、5)数学教授・学習モデルの教師教育への適用と数学教育の改善を設定している。 平成30年度は、これらの5つの活動のうち「4)1)から3)を一連の系とする、自律的学習能力と創造的問題解決力を育成する数学教授・学習モデルの開発、及び効果の検証」を行うことを計画していたが、予定通り実行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、本研究の目標を達成するために、上述の5つの活動のうち、「4)開発した教授・学習モデルの効果の検証」を引き続き行うことと、「5)数学教授・学習モデルの教師教育への適用と数学教育の改善」を中心に取り組む予定である。 効果の検証においては、平成30年度と同じく日本国内の小中学校での実践とタイの小学校での実践を行うこと、教師教育への適用においては大学における教員養成での活用と学校現場における現職教員研修での活用により数学教育の質の改善に繋げることを計画している。
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Causes of Carryover |
開発した数学教授・学習モデルの効果の検証については、日本国内での実践だけでなく、大学間交流協定締結校の協力による海外での実践を計画していた。本研究と別に、グローバル教員の養成のためのプログラムに係る大学間交流協定締結校への訪問の機会があり、その際に小学校での実践を行う時間を取ることができたため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、当該年度に引き続いて行う「開発した教授・学習モデルの効果の検証」における国内外での実践のための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)