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2017 Fiscal Year Research-status Report

日英語の音素配列規則の違いが学習者の語彙認識と発音に与える影響

Research Project

Project/Area Number 17K04797
Research InstitutionKagawa University

Principal Investigator

長井 克己  香川大学, 大学教育基盤センター, 教授 (20332059)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords英語学習者 / 子音連続 / 発音
Outline of Annual Research Achievements

日本語はCV音節を基本単位とし,音節末に子音が頻出する英語とは好対照をなすので,音節末子音に母音を挿入したり,語末の長母音を短母音で発音したりする誤りが多く報告されている。本年度はまずこのような現象の先行研究を調査俯瞰し,英語の音素配列規則が日本語母語話者に与える影響の分析に必要な実験準備と予備実験を行った。フォニックスやアブクド読みに頼らず,文字と音声,綴りと発音の関係を言語学習者の隠れた能力として利用するにはどうすれば良いのか,実際の学習者の発音を分析することから研究を開始した。
試験語の検討では,発音時の調音方法(破裂・摩擦・接近),調音場所(両唇・歯茎・口蓋),有声・無声・気息・円唇性などを検討し,日本語話者と英語話者の両方の音声について,まず基本的変量としてその時間長の検討を行った。英単語は音素配列を優先すると頻度が揃わなかったり,存在しない無声音に対応する有声音が高頻度の基本語だったりするので,英語コーパス(BNC等)の頻度と,学習者の馴染み度を考慮しつつ,単語リストを作成した。
予備実験では,試験語を単音節の英単語に限り,子音連続として /st(r)/ を持つ語を発音してもらい,母音の時間長と学習到達度の関係を観察した。(s)tlで始まる語はないのに語尾ではgentleのようにtlが可能であることは,母語話者が無意識に身につけている知識であるが,この知識が日本語を母語とする英語学習者の発音と英単語認識にどのような影響を与えるかを,音声分析と英語語彙であるかどうかの反応時間の測定により検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

予備実験参加者の確保とデータ収集(録音),その音響分析に予定外の時間がかかった。音響分析では有声子音と母音の分節に特に時間を費やした。

Strategy for Future Research Activity

次年度は初年度の先行研究調査,実験準備,予備実験を踏まえ,本実験とデータ整理を行う。

試験語を音声及び文字で実験参加者に提示し,発音を録音すると同時に英語の語彙であるか否かの判断までの反応時間を測定する。このデータにより,特定の文字及び音韻連鎖を発音するときの,母語話者と英語学習者の音声の特徴と,反応までの時間の関係を調べることとする。日本語を母語とする英語学習者は,どのような音素配列(綴り)が読みにくい・発音しにくいのか,実際に発音する際は,どのように発音することが望まれるのか,唇を,舌の位置を,母音の長さを,どうすべきなのかを考察する。

日本人の英語学習歴が結果に影響を与えると考え,参加者を留学経験がなくTOEFL等のスコアを持つ学生に限って募集したが,CEFR上級相当の学習者を確保するのは地方都市では大変難しいことが分かったので,何とか方策を考えたい。

Causes of Carryover

本計画は3カ年に渡るものであるが,実験装置及び人件費を暫定的に初年度に割り当てた。
予備実験に続き本実験を行う2カ年目には,使用予定額通りの執行を行う予定である。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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