2018 Fiscal Year Research-status Report
英語教師の学習モデルを構築するアクション・リサーチ
Project/Area Number |
17K04801
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
東條 弘子 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (00756405)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 現職教師の学習 / 授業の省察過程 / 授業実践録 / 教師認知 / 質的研究 / 教職課程 / 教授内容知識 / 教師の専門性 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年間の自身による英語授業省察過程のあり方を捉えるに際し、自身が専門とする教職英語授業と、いわゆる一般教養英語授業という教科内容の差異をふまえ、記述内容を時系列に沿って質的に分析し検討した。教職英語の授業では、一般英語の授業と比較すると、学生に対する感情や思いを授業者が抑制する傾向にあること、さらには自身の専門性に鑑み、より複雑な事象や内容について省察する傾向にあることがわかった。具体的には、学生による「愛情表現」が、一般英語の授業ではより頻繁に見られた一方、教職英語の授業においては一度として見られなかったことが明らかになった。加えて、自らの教授内容知識に基づく専門的な実践知としての「教えるための教科内容の知識 (pedagogical content knowledge: PCK)」が、教職授業においては、より頻繁に述懐されていることもわかった。したがって、次なる研究課題としては、教職授業で省察された記載内容における専門知の有り様を、より詳細に分析することが求められているといえよう。先行研究においては、PCKのあり方について、「『教科に内容を分かりやすく教授(説明)するための知識』と、『学習者の困難やご概念についての知識』」に大別されるという指摘がなされている。したがって、上記双方の異なる実践的知識が、どのように授業の省察過程で示されているのかを、引き続き考察していく。今年度は、この課題を主に追究する予定である。この視座に立ち、分析・検討を重ねることで、現職教師に拠る授業省察過程の有り様がより精査されると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究遂行最終年となるため、より教師認知に焦点をあてた考察を進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
「教えるための教科内容の知識 (pedagocial content knowledge: PCK)」と授業省察録に見られる教師認知のあり方について、引き続き質的に分析し検討する。特に、「『教科に内容を分かりやすく教授(説明)するための知識』と、『学習者の困難やご概念についての知識』」の差異に着目し、双方の傾向ならびに特徴がどのように省察録の内容に影響を及ぼしているのか、考察する。
|
Causes of Carryover |
書籍購入と国際・国内学会参加及び発表
|