2018 Fiscal Year Research-status Report
柔道授業における安全性の確保と種目特性を味わうカリキュラムの開発
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17K04805
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
與儀 幸朝 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (70773365)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 柔道授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の主な目的として、前年度に得られた知見をもとに中学一年生段階の柔道授業における安全性の確保と種目特性を味わうカリキュラムを開発し、その実現可能性について研究協力校にて実証することだった。 カリキュラムの開発は、現場の教員や研究協力者で検討し、10時間の学習過程のなかで安全に配慮した技能指導(基本動作・固め技・投げ技)とその順序性を考慮したうえで、発達段階に応じた単元計画を立案した。投げ技は、支え技系(膝車)、回し技系(体落とし・大腰)の3つの技を精選した。 実証の結果、安全性の確保については、中学校で初めて学習する生徒が大半を占めることからスモールステップ(低→高、弱→強、遅→早など)を用いた段階的な指導方法の工夫を行った。また活動場所の工夫を個・ペア・トリオ・グループで学習のねらいに応じて形態を変えて実施した。その結果、安全に授業を展開することができ、技能の習得状況が高まることが確認された。種目特性を味わうカリキュラムについては、発達段階に応じて体力差や体格差を考慮して指導する技の順序性やグルーピング等を工夫した。その結果、形成的授業評価において単元が進むにつれて意欲や学び方の評価得点が高まっていった。課題としては、学校によって異なる道場の広さに対応した安全マニュアルの作成や、一年生段階での技能の指導内容のさらなる精選の必要性等について吟味することが求められる。また、安全上の配慮から実施率は低いが学習指導要領に例示されている大外刈り(刈り技系)の指導方法についても検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現場の教員や研究協力者の協力が得られ、研究計画通りに進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、前年度に得られた知見をもとに中学二年生段階の柔道授業における安全性の確保と種目特性を味わうカリキュラムを開発し、その実現可能性について研究協力校にて実証する。具体的には、一年経過後の技能スキルの習得状況を調査し、安全に配慮した技能指導の順序性や指導内容の吟味、また10時間程度の配当時間数の中で種目特性を味わう学習指導の在り方について検討していく。
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Causes of Carryover |
研究協力校でのデータ収集が一部遅れたため、データ入力の人件費が計画通りに使用できなかったのが理由である。翌年度分として請求した助成金と合わせて早々にデータ入力の人件費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)