2018 Fiscal Year Research-status Report
英語コミュニケーション力と協調的問題解決力を養成するドラマ教育の開発と体系化
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17K04809
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
塩沢 泰子 文教大学, 国際学部, 教授 (90265504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草薙 優加 鶴見大学, 文学部, 教授 (50350335)
齋藤 安以子 摂南大学, 外国語学部, 教授 (60288967)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドラマ手法 / 社会人基礎力 / 異文化理解 / 社会問題 / ワークショップ / 演劇 / DIE / TIE |
Outline of Annual Research Achievements |
①学会発表:2018年7月、ドラマ教育理論研究における世界で最も権威ある国際学会であるIDIERI(International Drama in Education Research Institute)の第9回大会(於:Auckland University, NZ)において、"Building bridges between people"というタイトルで塩沢がドラマワークショップ合宿の成果について発表した(共同発表者: Eucharia Donnery)。また、2018年12月 JAAL in JACET(応用言語学会)にて著者らが実践してきた英語パフォーマンス発表会活動の概要と意義についてポスター発表を行った。 草薙は「英語の群読」というタイトルで第17回日本群読教育の会 全国研究集会大会(神奈川県横浜市 神奈川学園)2018年7月に発表した。 ②ドラマワークショップの実施:2018年9月、台湾を含む5大学の学生30名が参加したドラマ合宿を2泊3日で実施。「民話から探る異文化理解」をテーマとし、成果を上げた。 ③授業でのドラマ手法活用:2018年3月に研究者らが執筆・出版したドラマ手法に基づくテキスト「戯曲で学ぶ対話力」をそれぞれの授業で活用した。ライティングやリーディング、さらにはメディアについて考察する授業にドラマ手法が有効であることがわかった。 ④劇発表・鑑賞と事前・事後ワークショップ:研究代表者らが指導する学生を含め、複数大学の学生が一同に会しての英語劇発表会(12月に実施。100名以上参加)を通して、練習・発表・鑑賞とワークショップによる学生の変容に関して、量的・質的データを得た。⑤劇鑑賞についても英語劇団を招聘し、その前後に適切な指導を行い、学習効果を上げた。⑥地域の図書館と協力してドラマ手法による英語教育の啓蒙活動を8月に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研プロジェクトの中核をなすドラマワークショップ合宿で「民話を演じることによる異文化理解」という新たなテーマで成功裏に実施できたことや、一連の活動の成果を国際学会で報告し、世界各地の教育者や研究者と知見の共有ができたことなどによる。 また、地域の図書館との協力によるドラマ手法による読み聞かせやコミュニケーション活動など、地域との協働ができたことも成果といえる。 プロの英語劇団を招聘し、上演前にドラマワークショップを行うことにより、理解度が高まった。しかし、地域の教員の参加がなかったので、事前の告知に工夫が必要である。また、まだDIEとTIEを融合して体系化するには至っていないので、それが次年度の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの実践研究を推進するとともに、小・中・高の英語教育者にさらにドラマ教育を普及させたい。そのために、研究会を開催し、日常の英語教育で使える即興活動などを体験してその効用を体感してもらい、現場への活用を促したい。協定校での教育交流の機会も使ってドラマ教育を普及させる。 また、高大連携ならびに大学主催の研究会でもドラマ手法による英語コミュニケーション力養成の理論と実践についてディスカッションし、科研費で作成したテキストを活用してもらい、フィードバックを得る。 海外提携校(台湾・実践大学)の応用言語学科との協働により、文学や語学の発展・応用としてのドラマ作成・上演について学生や教員を指導するとともに、広くその効果や方法について意見交換する。
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Causes of Carryover |
研究者の勤務先のスケジュールが合わず、科研の一環である一般教員を対象とした研究会ができなくなり、その結果、経費に余剰ができた。その分、2019年度にドラマ手法を普及させる研究会を開催する予定である。 研究会の1回目は8月、2回目は12月に開催。12月は海外の実践研究者を招聘し、シンポジウムを開催する。また、国内外の学会で成果を発表する。
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Research Products
(9 results)