2018 Fiscal Year Research-status Report
国際協力のための教師の理科指導力向上を目指すレッスンスタディの適用方法の検討
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17K04812
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
畑中 敏伸 東邦大学, 理学部, 准教授 (30385942)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レッスンスタディ / 授業研究 / 理科教師教育 / 探究学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
授業を計画し,実践し,振り返る授業研究は,レッスンスタディの名称で日本の教師の専門性育成の機会として世界的に注目されている.本研究の目的は,日本の理科の授業研究の特徴を含むレッスンスタディが他国で適用可能かを明らかにすることである.これまでは,千葉県習志野市の小学校での理科の公開研究会の調査に基づいて,単元の学習計画は探究学習として立てられていること,授業が外部の教員と大学生にも公開されていること,授業の計画と授業の振り返りは学年毎に行われること,外部からの講師による指導がなされている,という特徴が日本型のレッスンスタディによる理科教員研修モデルとみなせることを明らかにした. 本年度は,文献レビューをもとに,レッスンスタディと教師の専門性育成の関係について,研究授業後の検討会における授業の検討が,教員の授業力を向上させる機会であり,よい授業の検討が行われることがレッスンスタディが教師の専門性の育成へ寄与したことになることを検討し整理した.そのため,日本型のレッスンスタディの適用可能性の評価は,授業の検討会の分析を通して行なうこととした.検討会の評価方法については文献レビューにより検討し,5つのカテゴリーと,3つのレベルに分ける分析枠組みを構築した.分析枠組みは,日本の公開研究会の検討会,インドネシアでのレッスンスタディの検討会の分析で用いて,レッスンスタディの授業の検討を質的,量的に捉えられることを明らかにした. 2019年の3月には,タイのコンケンにおいて,教員養成段階の大学生を対象とした調査を実施した.調査では,大学生にレッスンスタディの授業を観察した上で授業について気づいたことを出させ,質的,量的に評価を行なった.今後は,調査を重ねること,異なる授業の検討会の比較すること,国際比較すること,を通して,日本型のレッスンスタディの適用可能性を示す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通りに,日本国内での公開研究会での情報収集,文献レビューをもとに,日本型のレッスンスタディによる理科教員研修モデル,レッスンスタディーの評価の分析枠組みを構築することができた.分析枠組みは,日本の公開研究会,インドネシアでのレッスンスタディの資料,で検証することにより,有効性を確認した.また,計画通り,タイのコンケン大学でのレッスンスタディを行い,教員養成段階の大学生を対象とした調査も行うことができた.これらのことは,当初の計画通りに進んでいる点である. 比較調査のためには,まずは,一度調査を行い分析してみることが必要であったため,複数回の調査は2018年度には行っていない.タイのカセサート大学,マレーシアのRECSAMの研究協力者との調査実施,他国との比較研究を2018年度には実施していない点がやや研究が遅れていると判断する点である.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年10月から12月に,タイのコンケン大学とカセサート大学の協力者との共に調査研究を行い,調査資料を分析することを行う.その上で,比較検討をしやすい形で調査プランを立て,マレーシア,インドネシア,フィリピンでの調査研究の計画及び実施を検討する予定である.
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Causes of Carryover |
2018年度の直接経費は,年度末の海外調査に使用したため,事務処理の都合上,実際には年度内に使っている金額が年度内の使用額となっていないことにより残額が発生している.繰り越した残金は,次年度の海外調査費として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)