2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K04820
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
高瀬 淳也 大谷大学, 文学部, 准教授 (60780418)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小規模小学校 / 体育 / 教材開発 / へき地教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小規模小学校の体育授業の改善を目指し,教材及び授業プログラムの提案を目的としている。本年度は,①小規模小学校の実態調査,②小規模小学校の体育授業の教材開発・授業プログラムの作成を中心に行ってきた。①の小規模小学校の実態調査では,北海道T管内の中学1年生を対象に,6年生時に少人数学級(複式学級)に所属していた群と,普通学級(単式学級)に所属していた群に分け,質問紙による運動有能感,目標指向性,体育授業評価を実施した。その結果,どの項目においても2群に差が認められず,これまで報告されているような少人数学級のデメリットについては,確認することができなかった。この研究は,日本スポーツ教育学会第37回大会において発表した。②では,5名以下の複式学級を対象にボール運動領域に視点を当てて行ってきた。研究代表者がこれまで開発してきた実践事例に修正を加え,研究協力校で検討を行った。例えばベースボール型のゲームにおいて,1~2塁間に簡易フェンスを設置したり,ルールを工夫したりなどにより,3名の守備者でもベースカバーや中継プレイなどの連携プレイの学習が可能であることが示唆された。この他,低学年複式学級における宝運び鬼,中学年複式学級におけるネット型ゲームの実践から用具やルールの工夫によって,少人数の学級においても,「ボールをもたないときの動き」の授業プログラム作成の知見を得ることができた。今後,さらに研究対象校を増やし,教材の汎用性を高めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小規模小学校の実態調査では,調査時期が研究協力校と調整がつかず,一部の質問紙調査ができなかったものの,一定程度の成果を得ることができた。この成果をもとに,平成30年度,さらに詳細な調査を行う予定である。教材開発においては,研究協力校が遠方であったため,限られた時間の中での実践・検討を行ってきたが,教具開発の知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って①研究協力校の体育授業等の調査,②研究協力校において開発した教材及び授業プログラムの実践・検証を行う予定である。また,へき地・小規模校の情報収集のため,国内外の視察を予定している。
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Causes of Carryover |
研究対象校との日程調整がつかず,予定していた調査の一部を次年度に延期することとした。それに伴い,予算の執行を一部次年度に使用する予定である。また,国内外のへき地小規模校の調査を行う予定である。その他は,おおむね当初の計画通りに進める予定である。
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Research Products
(6 results)